Lars DanielssonとPaolo Fresuが紡ぐショート・ストーリーズって趣。
"Summerwind" Lars Danielsson & Paolo Fresu (ACT)
今年の秋,私が聞いている新譜はほとんどECMで占められてしまっているが,それらがすべからくいい出来であり,まさに豊作と言ってもよい状態だ。そうした中で,ECMの諸作以上に,私の中で期待値が高まっていたのが本作。何と言っても,Lars DaielssonとPaolo Fresuのデュオなのだ。期待するなって方が無理なのだ。聞く前からこの二人による詩的な世界が広がることは大いに期待できた。
そうした中で,組み合わせの関係でなかなかデリバリーがされなかった本作がようやく届いたのだが,こちらの期待通りと言うか,想定通りの音が出てきて嬉しくなってしまう。そして,本作では最長の「ローズマリーの赤ちゃん」からの"Sleep Safe And Warm"でさえ,4分24秒,多くの曲が2分台という短い曲が並んでいて,二人の静かな対話によって紡ぎだされる短編小説集のような趣である。
やや,エレクトロニクスの風味も加えながら,演じられる15曲は穏やかな演奏に終始するが,秋口から冬場への音楽生活を,瑞々しいものにすること必定と言いたくなるような演奏群なのだ。もちろん,本来のジャズ的な強烈な刺激のある音楽ではない。しかし,こうした音楽を受け入れられないことの,度量の狭小さこそ馬鹿馬鹿しいと言いたくなるような優れたデュエット作品。間にバッハのカンタータ「目覚めよと我らに呼ぶ声あり」なんて曲(ってより,私にとっては「シューブラー・コラール」と言った方がわかりやすい)が挟み込まれるが,これこそそうした原理主義的リスナーに聞かせたいって感じである。
これだけ琴線に触れる演奏をされてしまっては,私としては星★★★★★とせざるをえない。たまらん。まいりました。
Recorded on May 14 & 15, 2018
Personnel: Lars Danielsson(b, cello), Paolo Fresu(tp, fl-h)



























































































最近のコメント