ECM New Seriesから今日はMosolovのピアノ曲集。
"Alexandr Mosolov" Herbert Henck (ECM)
ここのところ,ボックス・セット聞きが続いていたので,ちょっと気分を変えよう。私はECM New Seriesについては長年手を出さずにいた。Steve Reichは基本的にNew Seriesに入ると思うが,最初はNew Seriesが存在していなかったはすであるから,普通にECMの作品としてリリースされていたと記憶する。昔からReichが結構好きだった私は,ECMのReich作品は買っていたものの,そのほかのNew Seriesについては,Andras Schiffが吹き込むようになるまで,ほとんど購入していなかったと言ってもよい。しかし,いつの頃からか,現代音楽のピアノ曲に関しては,ECM New Seriesからリリースされる音楽が素晴らしいと感じるようになって,今では現代音楽のピアノ曲に関しては,せっせと買うようになっているのだから,人間は変われば変わるものである。
そんなECM New Seriesにおいて,ピアノ曲のアルバムを最も吹き込んでいるのは,多分このHerbert Henckだろうと思う。カタログには8枚載っているが,Jean Barraquéのピアノ・ソナタだけは廃盤状態のようである。だが,私はそれ以外のアルバムは保有していて,直近で入手したHenckのアルバムの一枚がこれである。
不勉強にして,ここでHenckが取り上げたAlexandr Mosolovという作曲家については,初めて聞いたが,調べてみると,旧ソ連時代には反体制の疑いをかけられ,相当シビアな生活を強いられた人のようである。1900年に生まれて,ここに収められた曲は1920年代中盤に書かれているので,かなり若い時期の作品となる。だが,その後強制労働に送り込まれてしまったようなので,作曲家としてのキャリアは30年代以降停滞してしまうことになる。だが,20代半ばで書かれた音楽としては,構造がしっかりしたピアノ曲であり,そんなにアバンギャルドな感じはしないが,ロシア的な重量感はあるかなぁって気がする。
どちらかと言うと,私が好む現代音楽のピアノ曲は,もう少し「間」を重視した曲が多いので,本作に収められた曲は,ちょいとタイプが違うように思えるのだが,それでもこうして全く聞いたこともない(そして,自分では決して見つけることのない)ような音楽に出会えるのも,ECM New Seriesゆえってことになるだろう。それはそれでありがたいことである。星★★★★。
Recorded in March 1995
Personnel: Herbert Henck(p)
« Pat Martino@Cotton Club参戦記 | トップページ | この記事がアップされる頃は...。 »
「現代音楽」カテゴリの記事
- Camila Meza参加のフロリダの理想と現実を描くコンセプト・アルバム。(2026.07.04)
- 今年初のイタリア文化会館行脚(笑)。(2026.03.14)
- Kris Davisによる越境型音楽。もはや現代音楽と言った方がよいだろう。(2026.02.24)
- またもイタリア文化会館でのライブを聞く。今回はヴァイオリンのリサイタル。(2025.09.13)
- Francesco Dillon@イタリア文化会館参戦記。(2025.04.10)
「ECM」カテゴリの記事
- 今,ECMに求めうる理想の音と言ってもよい田中鮎美のトリオ作。(2026.09.25)
- 滋味溢れるとでも言うべきSteve Swallowの新作。(2026.07.02)
- 現物はこれからだが,ストリーミングで聞いたMick GoodrickとFred Herschのデュオ。この発掘は素晴らしい。(2026.06.23)
- Joe LovanoとJulian Lageの双頭作と呼びたい"Parmount Quartet"。(2026.06.02)
- Egberto Gismonti & Daniel Murray@渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール参戦記。(2026.05.28)













































































現代曲と云うより、スクリャービンとかショスタコーヴィッチ好き向きのアルバムですね。私がそう。非常に美味しいアルバム。ヘンクが好みでゆっくり集めてますが、現代曲だけでなく、モンポウとかこんなのも大好きです。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2018/12/30/085331?_ga=2.1117686.616401475.1546125557-2081481174.1439592022
投稿: ken | 2018年12月31日 (月) 17時46分
kenさん,こんばんは。
一般的な現代曲とは異なる響きでしたが,いかにもロシアって感じが面白かったです。正直,私の好みと若干違うんですが,こういう音楽に接することができるのもECMですよね。
ってことでよいお年をお迎え下さい。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年12月31日 (月) 18時56分