「ハン・ソロ」は製作の必然性が問われる部分が大きいと思えた。
「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー("Solo: Star Wars Story")」('18,米,Lucasfilm/Disney)
監督:Ron Howard
出演:Alden Ehrenreich,Joonas Suotamo, Woody Harrelson, Emilia Clarke, Donald Glover
米国内での興行の不振が伝えられる「スター・ウォーズ」の派生作品である。この映画の興行が盛り上がらない理由としては,このフランチャイズのファンたちが受け入れるか,受け入れないかという観点で,オリジナル・シリーズとの連続性が十分,あるいは必然的でないがゆえに,反発を食らったことが大きいのではないかと思われる。それがおそらく好意的に迎えられた「ローグ・ワン」との大きな違いだろう。「ローグ・ワン」はフランチャイズの間を埋めるストーリーとしてあってもよいもの,そして納得感のある作品であるのに対し,本作は別になくてもいいというのが決定的な違いである。
私のようにこのフランチャイズは結構好きでも,決して熱烈なファンではない人間にとっては,スター・ウォーズ・フリークの反応はよく理解できないところがある。それぞれの価値観があることはよいとしても,価値観の押しつけはあまり好ましいことではないと思える。それが悪い方向に出たのが,「最後のジェダイ」でのRoseを演じたKelly Marie Tranに対する誹謗中傷であろう。ファン心理は否定しないが,何をやってもいいってものではない。だが,そうした心理が「興行」に反映したのがこの映画と言ってもよいだろう。
ただ,この映画,見てもらえばわかるが,「スター・ウォーズ」から独立したかたちで見れば,そこそこ面白い映画に仕上がっているのは事実である。だが,「スター・ウォーズ」に引っかけたかたちで捉えなければならない観衆の立場からすれば,そもそもフランチャイズと切り離して考えることなど不可能なのである。ただ,シナリオをLawrence Kasdanが担当し,監督をRon Hawardが務めた割には,納得感がある出来とは言えないのが辛い。無理にエピソードを詰め込み過ぎたシナリオの問題が大きいと言ってもよいだろう。
ということで,私は「ローグ・ワン」は非常によく出来ていたと思ったが,本作はそれなりのアクション映画としての評価が精いっぱいってところだろう。私としては,無理やりこうした派生作品を作る必然性がないというのが本作への偽らざる評価である。結局のところ,批判されるべきは,映画そのものと言うよりも強欲なディズニーだろう。星★★★。
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