亡き父が買うCDとしては意外な"Harlequin"
"Harlequin" Dave Grusin & Lee Ritenour(GRP)
一時期のGRPレーベルというのは,まさに飛ぶ鳥も落とす勢いであり,それこそImpulseレーベル等も参加に収めていたのも懐かしい。フュージョンやスムーズ・ジャズ系の音源はそれこそ本当にたくさん出ていたが,一定のレベルは常に維持していたと思う。本作はそのレーベル・オーナーの一人であるDave Grusinと,レーベルを代表するミュージシャンであったLee Ritenourの双頭リーダー作である。
私は,GRPレーベルのアルバムは結構保有しているが,このアルバムは自分で買ったものではない。なぜか亡き父の遺品である。私の父はそもそもモーツァルト好きの人であり,ジャズも聞かなかった訳ではないが,どちらかと言えば,スイング/トラッド系のアルバムを買っていた。そんな父に私が,父の日にジャズ・アルバムを何枚か送るようになったのはいつ頃のことだったか。それ以降は,モダン,あるいはコンテンポラリーなジャズも結構聞くようになっていて,Brian Blade Fellowshipのファースト・アルバムやKenny Kirklandのアルバムを気に入っていたのも懐かしい。だが,フュージョンに手を出すとはとても思えず,なぜこのアルバムを保有していたのかは,全く謎である。私が認識している限り,父が保有していた典型的なフュージョン・アルバムはこれだけなのである。本来なら私自身が買っていても全然不思議はないし,その後のRitenourのGRPでのアルバムもほとんど買っていることからすれば,これを買っていなかったことの方がはるかに不思議なのだ。
そんなこともあり,それを実家から私が持ち帰り,私の家に置いているわけだが,実は持ち帰ってから一回も聞いていなかったなぁってことで,プレイバックをしてみた。
結論からすれば,典型的なフュージョンと言えるが,Lee Ritenour個人のアルバムであったらもう少しスピード感のある曲を入れたかもなぁと思わせる。ある意味これはナイトキャップにも適するであろう大人なアルバムである。私としてはその後"GRP Super Live"でも演奏した"Early A.M. Attitude"は非常に馴染み深かったが,それ以外の曲はおそらくちゃんと聞いた経験はないと思う。このアルバムがリリースされて,33年目にこうして聞いているってのも不思議な感じがするが,これはまぁ父に感謝せねばなるまい。
Dave GrusinとLee Ritenourはその後も共演を続け,2015年には一緒にブルーノート東京に出演しているが,その時のGrusinの元気な演奏ぶりからはとても当時81歳だったとは思えなかった。それを遡ること約30年であるから,裏ジャケに写るご両人も当然若いよなぁ。そんな二人の演奏は,Ivan Linsを3曲でヴォーカルに迎えていることが特徴となるが,私としてはインストだけで行っても全然問題なかったのではないかと思っている。もちろん,華を添える効果はあるが,Ivan Linsの世界が強くなり過ぎる面もあるように感じる。まぁ,Ivan Linsがいい曲を書いているのは事実なので,ここはこれでよしとしよう。元祖スムーズ・ジャズって感じで星★★★★。
Recorded in January thru March, 1985
Personnel: Dave Grusin(p, key),Lee Ritenour(g), Jimmy Johnson(b), Abraham Laboriel(b), Carlos Vega(ds), Harvey Mason(ds), Paulinho Da Costa(perc), Alex Acuna(perc), Ivan Lins(vo), Regina Werwick(vo), Carol Rogers(vo), Marietta Waters(vo)
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二回目の投稿になります
私のジャズ・フュージョンにハマる原点の作品です。いまから30年以上前に、FMレコパル(懐かしい)主催の「最新オーディオを聴く」とかいった募集に当選し、このアルバムと出始めのレーザーディスクでGRPオールスターズ・ライヴ・イン・セッションを視聴したことを覚えています。Ivan LinsやPaulinho Da Costaを知ったのもこのアルバムでした。Ritenourがブラジル音楽に傾倒していくのはこの頃でしょうか。何度聞いても新鮮さを感じる一枚です。
投稿: ねこねこ | 2018年7月13日 (金) 13時45分
ねこねこさん,おはようございます。
FMレコパル,懐かしいですね。レーザーディスクも懐かしいですね。私も相当数のディスクを保有していました。Lee Ritenourは”Rio “ってアルバムもありましたから,ブラジル・フレイヴァーは想定できましたが,ここではIvan Linsが大きいですね。今回聞いてみて非常に心地よいアルバムでした。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年7月14日 (土) 07時19分