数々のピアノ曲とSufjan Stevensのオリジナルにしびれる「君の名前で僕を呼んで」のサントラ。
"Call Me by Your Name:Original Motion Picture Soundtrack" Various Artists (Madison Gate)
以前映画に関する記事もアップした「君の名前で僕を呼んで」(記事はこちら)のサントラである。そこには私は「本作は音楽が素晴らしく,久しぶりにサントラ盤が欲しくなってしまうものであった」と書いたが,有言実行である。
まず,この映画を見ていて,そう思ったのは,映画で流れるピアノ曲の美しさであった。特に冒頭に流れるJohn Adamsの"Hallelujah Junction"に痺れてしまって,サントラが欲しいと思ったのだが,そのほかにも坂本龍一の曲も非常にいい感じであった。だが,この本当にこのサントラを欲しいと思わせたのは,Sufjan Stevensがこの映画のために書き下ろした曲の素晴らしさであったと言っても過言ではない。この映画のためにSufjan Stevensが書いたのは"Mystery of Love"と"Visions of Gideon"の2曲だが,これが本当にいい曲なのだ。更に旧作"The Age of Adz"に収録されていた"Futile Devices"のリミックス・ヴァージョンであるが,こんなにいい曲だったか?と思わせるに十分である。
それ以外は映画の時代背景を反映したディスコ調の曲であるが,それらはさておき,私にとってはピアノ曲とSufjan Stevensがあればこのアルバムは成立である。映画と音楽が一体化した優れた事例である。とにかくここでのSufjan Stevensのオリジナルを聞いて頂ければ,わかってもらえると思う。星★★★★☆。せっかくなので,Sufjan Stevensによる書下ろし2曲を貼り付けておこう。
« まさに枯淡:Chris AndersonとCharlie Hadenのデュオ作。 | トップページ | Fred Herschとクラリネットのデュオの旧作を今更ながら...。 »
「ロック」カテゴリの記事
- 2007年のLed Zeppelin復活ライブ。凄いねぇと思いつつ,映像はまだ見たことない(爆)。(2025.03.21)
- 私が保有するBryan Adamsの唯一のアルバム。売れたねぇ。(2025.03.20)
- Jon Anderson and the Band Geeksのライブ・アルバム:ここまで行くと潔いとすら思ってしまう。(2025.03.18)
- 何だかんだと言いながらのRoxy Music。(2025.03.04)
「現代音楽」カテゴリの記事
- 2024年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2024.12.28)
- 中古で入手した高橋アキのダイレクト・カッティング盤。(2024.12.24)
- 2024年の回顧:ライブ編(2024.12.17)
- これも現物未着のためストリーミングで聞いたThomas Strønenの"Relations"。自由度高っ!(笑)(2024.12.16)
- イタリア文化会館でSalvatore Sciarrino室内楽演奏会を聴いた。(2024.11.17)
「ポップス」カテゴリの記事
- 久しぶりに聞いたPedro Aznarのアルバム。2枚目がカヴァー集だったってすっかり忘れていた。(2025.02.20)
- 笠井紀美子の"TOKYO SPECIAL":昨今ならシティ・ポップって言われるのか...。(2025.01.31)
- 今年最初のライブはCatpack@Blue Note東京。(2025.01.25)
- これも久しぶりに聞いたAmericaのベスト盤。(2025.01.23)
「クラシック」カテゴリの記事
- 人生初の声楽リサイタルを聞きに,お馴染みイタリア文化会館に出向く。(2025.02.02)
- またもブート(まがい)の話:今度はBernsteinのマーラー5番。(2025.01.22)
- Martha Argerichが弾くリスト。強烈としか言いようがない。(2025.01.20)
- 今年最後の音楽記事は,残念ながら来日できなかったHilary Hahnの無伴奏ヴァイオリン。(2024.12.30)
- 2024年の回顧:ライブ編(2024.12.17)
« まさに枯淡:Chris AndersonとCharlie Hadenのデュオ作。 | トップページ | Fred Herschとクラリネットのデュオの旧作を今更ながら...。 »
コメント