Mike Stern@Blue Note東京参戦記
私はMike Sternのファンである。なので,彼が来日するとなれば,ライブには出掛けるし,NYC出張中に55 Barやほかのヴェニューに出ることがわかっていれば,駆けつける。4月のNYC出張中も,後輩を引き連れて55 Barに行った。そのマイキーが小曽根真,Tom Kennedy,Simon PhillipsでBlue Note東京に出演するとあって,今回も行ってきた。
NYCでの演奏でもわかっていたのだが,手の怪我の影響は演奏には出ていないが,手の状態は握手をするのも大変な感じなのは痛々しい。それでも,彼のファンを大事にする明るいキャラで救われている感じがする。
今回もマイキーの演奏は快調そのもの。Tom Kennedyはボトムを支えるだけでなく,ファンキーなソロもよかった。そしてSimon Phillipsは明らかにマイキーとのハードな共演を楽しんでいると思われ,今回も超タイトなドラムスを聞かせてくれた。今回のドラムスの興奮度はBill Evans(サックスの方)のBlue Note東京におけるライブ盤におけるDennis Chambersのドラムスを彷彿とさせるものだった。今回,驚いたのはSimon Phillipsが右手でも左手でもシンバル・レガートを決めていたことだが,それを見て彼は両手利きなのか?と思っていた私である。
ということで,彼らの演奏には全然不満はない。私が不満なのははっきり言って小曽根真である。どうして,マイキーのバンドにほんの短い時間とは言え,クラシカルなサウンドを持ち込まなければならないのか?ああいうのはChick Coreaとやってくれよと言いたい。マイキーも小曽根に合わせてパラパラとフレーズを弾いていたが,マイキーのファンはあんな音は求めていない。Tom KennedyとSimon Phillipsがリーダーたるマイキーの音楽を尊重していたのと真逆である。ピアノをお上品に弾くのは自分のライブでやってくれればいいし,はっきり言うが,全然合っていない。小曽根真はやろうと思えば,ちゃんとアーシーなオルガン・プレイだってできるのは4年前の同じBlue Note東京でのマイキーとの共演でわかっているのに,オルガンさえも大して面白いとも思えず,今回は非常に印象が悪かったと言っておこう。私はどうせなら小曽根真抜きのトリオでやってくれと思っていたというのが本音である。
まぁ,それはさておき,ライブ終了後に縁あって楽屋を訪れることができたが,Tom Kennedyもナイスガイなのには本当に嬉しくなった。マイキーもTom Kennedyも本当にいい人たちなのであった。小曽根真の演奏に納得できていなかった私だが,マイキーとTomとの会話で気を取り直したのであった。マイキーは4月に55 Barで会ったのを覚えてるとか言っていたが,ほんまか?と思いつつついつい喜んでいた私である。ってことで,今回の戦利品と「マイキーと私」,「Tom Kennedyと私」の写真をアップしておこう。“Trip”のCDには地味にTom Kennedyのサインも入っているが,わかるかなぁ...。
Live at Blue Note東京 on June 18,2018
Personnel:Mike Stern(g, vo), 小曽根真(p, org), Tom Kennedy(b), Simon Phillips(ds)
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