Fred Herschとクラリネットのデュオの旧作を今更ながら...。
"Da Vinci" Nico Gori & Fred Hersch (Bee Jazz)
先日,Fred HerschがクラリネットのAnat Cohenと共演したライブ盤についての記事をアップした(記事はこちら)が,それに先立ってHerschはクラリネットとのデュオ・アルバムを出していたのを思い出し,今更ながら記事のアップである。
Anat Cohenとのライブも非常にいい出来だったと思うが,このアルバム,選曲のよさもあり,ライブ盤に勝るとも劣らない作品と思える。スタンダード"Old Devil Moon"で幕開けるが,その後,近年のFred Herschのライブにおいても主要なレパートリーになっているFred Herschのオリジナルや"Doce de Coco"のような曲が並んでいるところに,Fred Herschのファンなら嬉しくなってしまうはずである。
パートナーの煮こごり,もとい,Nico Goriは1975年フィレンツェ生まれだそうである。その活動はイタリア国内が中心と思われるが,Fred Herschとのコンビネーションも上々のリリカルなサウンドを奏でている。"Mandevilla"のような曲では牧歌的なところさえ感じさせるが,全編を通して優れた演奏が聞ける。
もちろん,これらの曲の演奏はFred Herschのソロであってもいい訳だが,これはFred Herschの音楽性とも合致した演奏であり,高く評価したくなる一枚である。まぁ,強烈なインタープレイという感じでもないが,落ち着いた大人の対話みたいなものである。
実を言えば,私はこのアルバムはダウンロードで音源を仕入れていたのだが,先日のAnat Cohenとのライブを聞いてから,本作を改めて聞き直して,曲のよさに再度気づくということで媒体を購入したものである。本作をリリースしたBee Jazzレーベルはフランスの独立レーベルだが,最近は活動が伝わってこないところを見ると,倒産した可能性が高いので,本作も媒体としては入手が難しくなるかもしれないので,今更ながらではあったが,手に入れておいて正解だったかもしれない。星★★★★☆。尚,エンジニアリングは昨今話題になることが多いStefano Amerioである。
Personnel: Nico Gori(cl), Fred Hersch(p)
« 数々のピアノ曲とSufjan Stevensのオリジナルにしびれる「君の名前で僕を呼んで」のサントラ。 | トップページ | 日本対セネガル戦を振り返る。 »
「ジャズ(2018年の記事)」カテゴリの記事
- 2018年の回顧:音楽編(その2:ジャズ)(2018.12.30)
- 買ってしまったDave BrubeckのColumbiaボックス。(2018.12.27)
- 年末になって届いたFred Herschの未発表ライブ音源がいいねぇ。(2018.12.25)
- 2018年の回顧:ライブ編(2018.12.24)
- 年末で記事の更新が滞ってしまった。ってことで,今日はECMのAndrew Cyrille作。(2018.12.23)
« 数々のピアノ曲とSufjan Stevensのオリジナルにしびれる「君の名前で僕を呼んで」のサントラ。 | トップページ | 日本対セネガル戦を振り返る。 »
コメント