Christian McBride's New Jawn@Cotton Club参戦記

今日はChristian McBrideの新しいバンドであるNew Jawnのライブを見るために,Cotton Clubに行ってきた。今回は早割チケットみたいなのがあって,3割引きだったのは結構お得感ありである。
まぁ,これまでのChristian McBrideの活動からすれば,そこそこ埋まるだろうとは思っていたが,だいたい85~90%の入りってところだっただろうか。それでもって,今回のライブであるが,ピアノレスの2管クァルテットということもあり,これってOrnette Colemanを意識しているのではないかという感じもあったのだが,演奏が始まってすぐに,おぉっ,これはスポンテイニアスだと思ってしまった私である。ピアノレスであることにより,演奏の自由度が高まることは想定内であったが,ほぼフリー一歩手前みたいな演奏であり,私は演奏の質には満足していたのだが,どうもCotton Clubというヴェニューに合わないなぁとずっと思っていた。
こういう音楽がフィットするのはNYCであれば,Village Vanguardとかであり,東京ならばPit Innだろうって気がする。Cotton Clubに集う聴衆にも,Cotton Clubという場所そのものにも合っていないのである。冒頭に演奏したのはWayne Shorterの"Sightseeing"だと言っていたが,ってことはWeather Reportでやっていた曲ってことになるが,ほとんどテーマを除けば,それらしい感覚は得られないって感じなのだ。ビートは自由に変動するし,ドラムスのNasheet Waitsは,相当の煽りを入れる。本当に自由度が高いので,実は一番盛り上がったのが,アンコールでやったOrnette ColemanとPat Methenyが"Song X"で演じた"The Good Life"だったっていうのが象徴的である。この曲,"Song X"の20周年記念盤に収録されている曲だが,Ornetteらしい不思議なメロディ・ラインでありながら,この日,唯一ビートが安定していた曲なのだ。
結局のところ,フリーに近い演奏に慣れていない一般的な聴衆,あるいはCotton Clubというヴェニューを別の目的で使う人々にとっては,イメージと違うってことになってしまうのは仕方あるまい。繰り返すが,私は音楽には全然抵抗はなかったのだが,場所柄どうなのよって疑問だけが強く感じられたのであった。
まぁ"New Jawn"というバンド名はフィラデルフィア地方の表現からすれば"Something New"ってことになるはずなので,まさにChristian McBrideにとっては,これまでとちょっと違う音楽だったということは間違いのない事実である。
そうしたバンドの演奏の中で,ドラムスのNasheet Waitsは以前,Fred Herschと一緒にやっていたとは思えない叩きっぷりなのには驚いた。パワー,スピードを兼ね備えた器用なドラマーであることがわかったのは収穫である。
ただ,どうなのかねぇ。リーダーはMCも兼ねて人当たりがいいのは前からわかっていたが,ラッパのJosh Evansの愛想のなさは,ちょっと行き過ぎではないかと思えた。別に聴衆に媚を売る必要はないが,オーディエンスとのコミュニケーションなりはもう少し大事にする姿勢があってもいいように思える。Nasheet Waitsも同じようなもんだったが,最近のミュージシャンには珍しい不愛想ぶりが際立ったのは残念。Miles Davisだって不愛想だっただろうという人もいるかもしれないが,Josh Evansの実力,そして認知度はこのバンドで一番下なのだ。もう少し謙虚な姿勢を示してもいいと感じてしまう。
いずれにしても,私は音楽自体は聞いていて結構面白いと思っていたが,やっぱり場所の選択は間違ったと言わざるをえないというのが今日の結論。なんだか惜しいねぇ。Christian McBrideのライブとしては,前回聞いたトリオでの演奏の方が圧倒的に楽しかったと思わせてしまうところがもったいないのである。
Live at Cotton Club東京 on June 14, 2018
Personnel: Christian McBride(b), Josh Evans(tp), Marcus Strickland(ts, ss, b-cl), Nasheet Waits (ds)
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