The Children of the Light@Blue Note東京: これほど自由度の高い演奏はなかなか聞けない。

久しぶりにライブに行ってきた。日本でライブに行くのは3月のイタリア文化会館でのフリー・ライブ以来で,クラブに行くのは2月のFred Herschまで遡る。まぁ,出張やらGWやらだったので,ライブ生活がイマイチだったのは仕方がないところである。だが,海外を入れてもNYCで見たMike Stern以来というのはちょっと空き過ぎって気もする。
それでもって,今回行ってきたのがWayne Shorter Quartetから親方Shorterが抜けたかたちのトリオ,その名もThe Children of the Lightである。Wayne Shorterとやっている時も,もの凄い緊張感を醸し出すこの人たちが,親方抜きでどういうライブをやるのかは注目に値した。そして今回,強く感じたのが,彼らの演奏の自由度の高さである。所謂「フリー・ジャズ」なのではない。各々がリーダーの役割を果たしながら,まさに三位一体のコレクティブ・インプロヴィゼーションを聞かせるのである。三者各々がソロを取りながら,演奏としてはアンサンブルのようになっているという凄い合わせ技を目の当たりにしてしまい,驚いたことは言うまでもない。そして,その演奏の密度の濃いことよ。しかし,Patitucciはスコアを見ていたので,かなり精密にアレンジされている部分もあるのかもしれないが,だとしても凄いわ。決してビートが明確って感じでもないので,グルーヴィっていう感じではないから,スウィング感には乏しいのだが,それだけがジャズの概念ではないということを強烈に感じさせ,むしろ雄弁にジャズという音楽のエッセンスを感じさせる演奏だったと思える。
このトリオ,三者の技量は極めて高いのは当然なのだが,今日も私はBrian Bladeのドラミングに感心していた。とにかくうまい。そして斬り込み方が鋭いのである。スコ~んとシンバル音が抜ける瞬間の快感と言ったら,たまらないものがあった。アコースティックに徹したJohn Patitucciはアルコも無茶苦茶うまいところを聞かせたし,Danilo Perezは訥弁のような感じで弾いていると,突然超絶的なフレージングを交えるという静と動を使い分けるような演奏であった。とにかく,Wayne Shorterの教育よろしく,真面目な人たちであったが,ほぼフルハウスとなった聴衆の受けもよく,大いに満足して帰路についた人が多かったのではないだろうか。私もその一人である。
演奏のテンションが高いので,終演後のサイン会なんかやってられないんだろうなぁと思ってはいたが,若干の可能性にかけて,何枚か持参したCDは無駄だったが,これだけの演奏を聞かせてもらえれば文句はない。とにもかくにもいいライブであった。実は私は結構体調が悪く,演奏中寝てしまうのではいかという危惧もあったのだが,それは完全に杞憂に終わった。あんな演奏されたら絶対寝られませんわ。尚,上の写真はBlue NoteのWebサイトから拝借。
Live at Blue Note東京 on May 23, 2018 2ndセット
Personnel: Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)
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トラバをありがとうございました。
実は、私も前日から体調悪かったのですが、、これだけは、外せないとがんばりました。。
彼らの絡み合いって、一般常識的なジャズの演奏のとっかかりとか、、なんか、無視してますよね。あえて、外したり、みたいな。
でも、3人だと、ものすごいジャズになる、あえていいますよ、ジャズです。
愚人の私には、彼らが何をしているのか、よくわからなくても、、
ものすごく楽しかったですよ。
投稿: Suzuck | 2018年5月25日 (金) 17時45分
Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。
Suzuckさんがおっしゃっているのと同じ感覚を私は「三位一体のコレクティブ・インプロヴィゼーションを聞かせるのである。三者各々がソロを取りながら,演奏としてはアンサンブルのようになっている」と書いたと思っています。
決して敷居が低い訳ではないですが,いいものを聞かせてもらったと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年5月26日 (土) 20時23分