これはいい!Bobo Stensonのトリオ作がECM的美学炸裂。
"Contra la Indecisión" Bobo Stenson Trio (ECM)
Bobo Stensonがトリオでアルバムをリリースするのは6年ぶりのことだそうである。そんなになるのかと思いつつ,私は聞きに行けていないが,来日公演もしていたから,そういう風に感じるのかもしれない。
Bobo StensonはECMの黎明期からアルバムをリリースし続けているが,私は彼のアルバムでも,今回ほど最初の一音からまいったと思わされたことはあまりなかったかもしれない。これぞ完璧なECM的な美学。メンバーのオリジナルに加え,冒頭のタイトル・トラックがキューバのシンガー・ソングライター,Silvio Rodriguezから始まり,中盤にはバルトーク,サティ,更にはスペインのモンポウ(この人のピアノ曲はECM New SeriesでHerbert Henckが弾いた"Musica Callada"という素晴らしいアルバムがある)という現代音楽的な曲も入れて構成されたこのアルバムの美的な感覚は,まさにECM好きのハートを鷲掴みって感じなのである。あまりにツボに入り過ぎて,私は「おぉっ...」となってしまったと告白せざるをえまい。
この素晴らしき美感は(部屋を暗くして,膝を抱えながら,ネクラ的に)黙って楽しむというのが,私には最適と思える。この音楽に多言は無用であり,ただ身を委ねればよい。それによって,日頃の憂さを間違いなく忘れることができると思える,それほど美しい音楽である。若干現代音楽的な響きが強くなる瞬間もあるが,私のような現代音楽のピアノ音楽を好む人間にとっては何の問題もない。だが,全般的に見て(聞いて),これでダメなら,Bobo Stensonを聞くのはやめなはれってところだろう。喜んで星★★★★★としよう。
それにしても,これが今年購入したCDの2枚目というのは,自分でも結構凄いことだなぁと思う。今までが買い過ぎだったってことかもしれないが,それにしても人間変われば変わる,と言うか,購入意欲,保有意欲は確実に減退しているなぁ。むしろ,聞く時間も限られているので,購入を厳選しているってことにしておこう(笑)。1枚目が本田珠也で,2枚目がこれなら2枚買って2枚とも当たりなのだ。
今年は今後もこういう感じになるのかもしれない。新譜は控えめ,基本は温故知新でいいんだけど。
Recorded in May 2017
Personnel: Bobo Stenson(p), Anders Jormin(b), Jon Fält(ds)
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理屈抜きでいいと思えるピアノトリオで、しかも甘すぎず、ECMらしさ満載なので、聴いてうれしかったです。何かで本人は北欧的と言われるのを好まない、と読んだことがありますが、それでもそう言いたいです(笑)。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2018年2月 7日 (水) 20時40分
910さん,こんにちは。TBありがとうございます。
これは本当にいいアルバムでした。ECMらしいと言うか,本当に美学に貫かれているアルバムで,冒頭からして本当にしびれてしまいました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年2月 9日 (金) 14時21分
トラバをありがとうございます。
CD2枚目なのですか?すげぇ!!
アタリだけひいてますね♪
前作に引き続いて美サイレンスとしか言いようのない美しさだとおもいました。
3人の個性がうまく重なり合った空間での、、絶妙な感覚の共有が素晴らしいです。
誰1人ぬけても成り立ちませんよね♪
トラバしますね。
投稿: Suzuck | 2018年2月10日 (土) 09時52分
Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございます。
このBobo Stensonはいいですねぇ。マジで気に入ってます。ここまで痺れた彼のアルバムは初めてかもと思いながら,旧作を聞き直したくなりました。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年2月10日 (土) 12時08分
中年音楽狂さん、当方へもお出ましいただいて有り難うございました。私はBartokのM3とか MompouのM6あたりにしびれました。こうした心の琴線にふれるような流れはお気に入りなんです。今作は彼らのフリー・ジャズっぽいところは以前の作品より少なかったと思いますが、よいアクセントになっていてこのあたりの構成がにくいところだとも思ってます。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年2月11日 (日) 20時40分
風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございます。
このアルバムは,クラシック/現代音楽の曲も交えながら,彼らの個性に仕立て上げているのが素晴らしいです。本当に次回の来日こそ逃さず聞きに行きたいと思わせるに十分なアルバムでした。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年2月11日 (日) 23時16分