ジャズ系ブログ界で話題沸騰?今年最初の新譜は本田珠也のIctus Trio。
"Ictus" 本田珠也Ictus Trio(Song X Jazz)
今年になって全然新譜を買っていなかったのだが,これが今年初の新譜に関する記事ということになる。本作は私のお知り合いの皆さんが取り上げられており,これは聞いておいた方がいいだろうということでの購入である。
本田珠也に関しては以前"Planet X"についてこのブログに記事をアップしたことがある(記事はこちら)が,そこでの音楽とは全く異なるもの。違い過ぎやろと言ってしまえばその通りであるが,むしろこういう音楽が日本のミュージシャンによって作られたことに,ある種の驚きさえ感じた私である。ブログのお知り合いのkenさんは「初期ECMの味わいに実に近い」と評されているが,まさにそういう感じなのだ。
そもそもレパートリーの中心を構成するのがCarla Bleyの曲というのが素晴らしい試みであり,そこにスタンダード2曲と,ピアノの佐藤浩一のオリジナルを交えるという構成も,明確な狙いを感じる。Carla Bleyのオリジナルの持つ「甘い毒」みたいな部分と,アバンギャルドな部分を見事に表出しながら,そこにはさまれたスタンダードとオリジナルが何の違和感もなく混在しているのは結構凄いことではないか。スタンダードさえも,彼らの感覚で再構築されたものとなっており,こういう「筋の通った」アルバムは,ミュージシャンたちの強い意志を感じさせて,無条件に支持したくなる。
ただ,誤解を恐れずに言えば,これはある程度ジャズに接してきたリスナーには受け入れられても,これからジャズを聞いてみようというようなリスナーにはちょっと勧めにくいのも事実である。しかし,この心地よさというよりも,ヒリヒリするような緊張感をもたらしながら,美学も兼ね備えた音楽にはしびれてしまった私である。
繰り返しになるが,こうしたアルバムが日本から生まれたことを喜びたい。そして非常に生々しい音で録音されている点も評価して星★★★★★としてしまおう。新年早々縁起がいいわいと言いたくなってしまった。
Recorded on May 16, 2017
Personnel: 本田珠也(ds),佐藤浩一(p),須川崇志(b, cello)
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> ヒリヒリするような緊張感をもたらし
まさに、このフレーズがぴったりの演奏ですね!!
レコ発ライブあると思うので、見る機会できると思います。
ライブの方がアルバムより、より難易度が高かった印象です。
TBありがとうございます。コメント内逆TBさせていただきます。
https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64371413.html
こちらは、まだアルバムとしては未紹介ですが(^^;;
投稿: oza。 | 2018年1月14日 (日) 17時55分
oza。さん,こんばんは。リンクありがとうございます。
そうでした。oza。さんのはライブに関するものでしたね。フライングしてしまいましたが,このトリオは本当に驚きを与えてくれました。ライブの場があれば,参戦したいと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年1月14日 (日) 18時18分
閣下、とらばをありがとうございます。
案内がでたときのYouTube聴いて、、もう、ど真ん中でしたので、
楽しみまっていました。
メンバーのつくりだす緊張感と高揚感が絶妙で、リーダーの描き出すダークで混沌した色合いに心奪われてしまいました。
男性的な強さと繊細で知的な感覚が組み合わさっており、私もヒリヒリするような感覚に喜びをかんじましたです。
すっごく、好きな1枚がいきなりあらわれましたね!!
新年なので、、アレですが、、年末まで、残る予感です。
トラバしますね。
投稿: Suzuck | 2018年1月15日 (月) 12時43分
私も新年に届いたアルバム1号。素晴らしい内容でした。
本田珠也の多面的な音造りに、かなり痺れています。
このアルバムではライヴの高揚感と違う音、でこれまたビックリでした。
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2018/01/08/210722
投稿: ken | 2018年1月15日 (月) 16時55分
Suzuckさん、こんばんは。TBありがとうございます。
確かにこのインパクト、年末まで尾を引きそうですよねぇ。「ダークで混沌とした色合い」とは言い得て妙です。マジで素晴らしいアルバムでした。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年1月15日 (月) 17時48分
kenさん、こんばんは。リンクありがとうございます。
やはりこのアルバム、痺れますよねぇ。ぜひ彼らのライブは観てみたいと思います。暫くは私も聴き続けられそうです。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年1月15日 (月) 17時50分