2017年の回顧:音楽編(その1)-ジャズ以外
今年も大詰めが近づき,いよいよ今年の回顧も音楽に突入である。まずはジャズ以外の音楽について取り上げよう。私が高く評価したアルバム(★★★★☆以上)については,2017年のおすすめ作としてブログの右側に掲示しているので,大体予想がついてしまうという話もあるが,まぁそれはさておきである。
私が今年ジャズ以外の音楽で聴いて,最も感銘を受けたのはVíkingur ÓlafssonのPhilip Glassのピアノ作品集であることは疑いのない事実である。この清冽な響きには正直ノックアウトされてしまった。私は今年は現代音楽のピアノを結構聞いたと思うが,ほとんどはECMレーベルの作品であり,それはピアノの響きと演奏が一体化していて心地よいということがあるのだが,このVíkingur ÓlafssonはDeutsche Gramophoneからの作品であり,ECMでないということが重要なのだ。これはまじで最も感動した作品の一枚であった。
そしてそれと双璧なのがLizz Wrightの"Grace"である。本作はジャズのカテゴリーに入れてもいいと思ったが,本質的にこれはルーツ・ミュージック,あるいはソウルの世界である。よって,ここに取り上げることにするが,記事を書いた時の「Cassandra Wilsonを越えた」という表現に私には揺らぎはない。Lizz Wrightはこれまでも優れた作品をリリースしてきたが,これこそこれまでの彼女にとっての最高傑作と言ってもよい出来である。傑作という表現以外思いつかないぐらいの超絶作品。素晴らしい。
心地よさという点ではMoonchildの"Voyager"が最高であった。メロウ・グルーブっていうのはこういうのを言うのだと思わせるに十分なアルバム。音楽に何を求めるかっていうのはいろいろあるところではあるが,心地よさ,身体が揺れるという感覚を感じさせてくれるに十分なアルバムであった。彼らのライブを見逃したのは痛かったが,こうした演奏に触れる機会を与えて頂いたブログのお知り合い,kenさんには大いに感謝したい。本当に気持ちいいアルバムである。
こうした作品に加えて,今年涙なくして聞けなかった作品というのが一枚ある。それがGregg Allmanの遺作,"Southern Blood"である。作品としての質がどうこうということではなく,私は本作に純粋に感動してしまったのである。加齢により涙もろくなっているということも影響しているが,本作は死期を悟ったミュージシャンのまさに"Swan Song"である。ある程度年齢を重ねたリスナーにとっては,これはツボに入ってしまうこと確実な音楽と言える。私は決してAllman Brothers Bandに思い入れのある人間ではないにもかかわらずの感動なのだ。これは本物だと思っている私である。
そのほかにもいろいろ面白いアルバムはあったが,いずれにしても,先日発表された「ミュージック・マガジン」のベスト10とは見事なほどに全く無縁のセレクションになってしまったなぁ。まぁ,自分の嗜好で音楽を聞いているので,違うのは当たり前だが。いずれにしても,来年も自分の好みに忠実に過ごしていければと思っている。プロじゃないからね(笑)。だが,上に挙げた4枚はどれを聞いてもはずれはないと言っておこう。
ここに挙げていないアルバムにもいいものはあった。Joe Henry,Tangerine Dream,Rose Cousins等は無視するには惜しかったのだが,自分の中での感覚を重視したらこういうチョイスになったということである。おっと,忘れてはいけないが,今年入手して嬉しかったものはGeorge Harrisonの"All Things Must Pass"のアナログ再発盤とKraftwerkの3-D Box。我ながらオタクである(爆)。
« 2017年の回顧:映画編 | トップページ | 2017年の回顧:音楽ージャズ編 »
「ロック」カテゴリの記事
- Boone's Farm@ビルボード・ライブ東京参戦記。前日のBlue Noteのリベンジにはなったな(笑)。(2026.01.17)
- MojoでYesのアルバムのランキングが掲載されていたので,聞いてみたアルバムだったが...。(2026.01.19)
- 懐かしや,Dire Straitsのベスト盤。(2026.01.15)
「ソウル/R&B」カテゴリの記事
- 2025年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2025.12.28)
- Steve Cropperを偲んで"Dedicated"を聞く。(2025.12.10)
- 3月のライブを見逃したことを強く後悔したMavis Staplesの新作。(2025.11.27)
- Dionne WarwickボックスからDisc 3を聞く。(2025.11.05)
- 先日購入のDionne WarwickボックスからDisc 2を聞く。(2025.10.17)
「現代音楽」カテゴリの記事
- またもイタリア文化会館でのライブを聞く。今回はヴァイオリンのリサイタル。(2025.09.13)
- Francesco Dillon@イタリア文化会館参戦記。(2025.04.10)
- 才人Vijay IyerとWadada Leo Smithのデュオ第2作。(2025.04.06)
- 2024年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2024.12.28)
- 中古で入手した高橋アキのダイレクト・カッティング盤。(2024.12.24)
「ポップス」カテゴリの記事
- 2年も前に出ていた原田知世のカヴァー・アルバムを今頃聞く。(2025.12.02)
- Dionne WarwickボックスからDisc 3を聞く。(2025.11.05)
- リリースから35年!今なお瑞々しさが変わらないPrefab Sproutの傑作。(2025.11.01)
- 先日購入のDionne WarwickボックスからDisc 2を聞く。(2025.10.17)
「SSW/フォーク」カテゴリの記事
- 2025年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2025.12.28)
- ようやく現物が届いたMike ReidとJoe Henryのアルバム。どえりゃ~渋い!(2025.12.11)
- Rachael Yamagataの新作の現物が到着。(2025.10.21)
- 紆余曲折を経て"Joni’s Jazz"をようやく入手。(2025.10.07)
「ブラジル」カテゴリの記事
- 新年最初の音楽は気楽に聞けるCharlie Byrdのライブ盤。(2026.01.02)
- 完全にノーマークだったが,Paula Santoroのアルバムが2023年にリリースされていたようだ。(2025.10.18)
- "Toninho in Vienna":心地よさ極まれり。(2025.09.09)
- 「微熱・ボサノヴァ」とは言い得て妙なArto Lindsayのアルバム。(2025.08.05)
- 猛暑をPaul Winterでしのぐ(笑)。(2025.08.04)
「クラシック」カテゴリの記事
- 2025年の回顧:ライブ編(2025.12.23)
- らじる★らじるで聞き逃したDutoit/N響のオール・ラヴェルを振り返る。(2025.12.03)
- Raphael Payare / Emanuel Ax / N響@サントリーホール参戦記(2025.11.23)
- またもイタリア文化会館でのライブを聞く。今回はヴァイオリンのリサイタル。(2025.09.13)
「ワールド・ミュージック」カテゴリの記事
- Arooj Aftab@Billboard Live東京参戦記。(2025.10.30)
- 久しぶりに聞いたPedro Aznarのアルバム。2枚目がカヴァー集だったってすっかり忘れていた。(2025.02.20)
- 2024年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2024.12.28)
- Duo Perfetto@イタリア文化会館参戦記。(2024.08.10)
- Meshell Ndegeocelloの新作がBlue Noteからリリース。(2023.06.23)































































コメント