Brian Bladeの新作は静謐な響きが顕著になっている。
"Body and Shadow" Brian Blade and the Fellowship Band (Blue Note)
前作"Landmarks"がリリースされた時にも高く評価した私である(記事はこちら)であるが,それから約3年半,彼らの新作がリリースされた。ほぼ不動のメンツを貫く彼らであるが,今回はギタリストが交代し,2ギターから1ギターになっているのがまずは変化である。そして,この時代にと言ってはなんだが,収録時間が31分そこそこというのがLP時代への回帰のようなものすら感じさせる。
前作でも渋い演奏を聞かせた彼らだが,アメリカーナな感覚は今回も引き継がれるとともに,ゴスペル・テイストも残存していて,おぉ,やっぱりFellowship Bandだと感じさせる。賑々しい感覚はないのだが,成熟した音楽というのはこういうものだと思わせるに十分である。逆に言えば,ジャズに求められるような熱い感覚とは異なるものであるが,私にとっては,この人たちはもちろんジャズのフォーマットではあっても,実際のところはより広範な音楽性を示す人たちだと思えるので,全く問題を感じない。
だが,これまで以上に静謐ささえ感じさせる展開には戸惑うリスナーがいても仕方ないと思えるほど,サウンドは地味な感じがする。そのあたりが本作の評価の分かれ目になると思うが,Brian BladeとJon Cowherdによる曲は魅力的な響きを持つものであることは疑いない。
そこにCowherdのソロと,バンドの形態で2度差し挟まれるゴスペル・チューン"Have Thine Own Way, Lord"が持つ意味合いを考え過ぎる必要はないのかもしれないが,ある意味LPのA面のエンディングとB面のオープニングを同一曲の異なるバージョンで飾るのは,まるでEaglesの"Hotel California"における"Wasted Time"のような感じもする。
いずれにしても,タイトル・トラックが"Noon","Morning","Night"の3曲のバージョンで収められるのは,コンセプト・アルバムという気もするが,レーベルのプレス・リリースによれば"a succinct nine-track meditation on lightness/darkness that arrives like a balm for the soul, ebbing and flowing with grace, subtlety and no shortness of beauty"ってことらしい。なかなかに哲学的である。
本作は一聴地味に聞こえるが,狙いを持ってこういうサウンドにしているということだろうと思える。Fellowshipの最高作だとは思わないが,味わいと滋味に溢れた充実作である。星★★★★☆。
Personnel: Brian Blade(ds), Jon Cowherd(p, harmonium, mellotron), Chris Thomas(b), Melvin Butler(ts), Myron Walden(as, b-cl), Dave Devine(g)
« Some Thoughts on NewSound Live at Bobo, KL | トップページ | Amelia Ong: インドネシアのGretchen Parlatoってところか。 »
「新譜」カテゴリの記事
- Chick Coreaの旭川でのソロ・ライブ音源が公開された。(2026.02.06)
- Joel Rossの新作はその名も"Gospel Music"。だが,典型的ゴスペルではない。(2026.02.07)
- Julian Lageの新作はまたもJoe Henryプロデュース。(2026.01.25)
- 今年最初の新譜はEnrico Pieranunzi。あの"Live in Paris"と同じメンツで悪いはずなし。(2026.01.05)
- 2025年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2025.12.28)
「ジャズ(2017年の記事)」カテゴリの記事
- Peter Brötzmannの咆哮。たまりまへん。(2020.01.20)
- 2017年の回顧:音楽ージャズ編(2017.12.30)
- 前作は一体何だったんだと言いたくなる大西順子の新作(2017.12.26)
- Marc Copland:今年最後の新譜はこれだろうなぁ。(2017.12.27)
- 中年音楽狂のNY夜遊び日記:その4(最終回)(2017.12.18)
コメント
« Some Thoughts on NewSound Live at Bobo, KL | トップページ | Amelia Ong: インドネシアのGretchen Parlatoってところか。 »

































































これは癖になりますねえ。昨年彼のドラムを生で聴いてから、フェローシップを聞き直しましたが、とてもしっくり来ます。とても知性を感じます。
投稿: カビゴン | 2017年12月 7日 (木) 08時44分
カビゴンさん,こんにちは。返信が遅くなりました。
Brian Bladeは知性的なドラムスでありながら,パワフルにも叩ける人ですよね。Fellowship Bandのアルバムはどれも渋いですが,今回は輪をかけての滋味あふれる作品でした。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年12月 9日 (土) 11時32分