小曽根真久々のThe Trioのアルバム。驚きがないなぁ。
"Dimensions" 小曽根真
今回のメンツによるThe Trioが復活するのは10年ぶりだそうである。しかも来月にはBlue Note東京にも出演することになっている(ライブは予約済みである:笑)から,予習として聞かないわけにはいかない。
最初からはっきり言ってしまうが,私は小曽根真の音楽に心底惚れ込んだことはない(きっぱり)。ある意味中庸,ある意味誰にでも受け入れられる音楽をやっているから,この人には尖ったところがないと思ってきたし,そういう感覚はこれまで変わったことはない。だが,例えば,Mike Sternとライブをやった時のように,オルガンでグルーブを炸裂させればいいのにと思えるのも事実だし,Lee Ritenourの"Twist of Rit"に客演した時には「小曽根たちとやった"W.O.R.K.n' IT"のなんとカッコよいことか。私は小曽根真がオルガンを弾いた時の魅力を,Mike Sternたちとのライブの場で体感しているので,これも期待していたのだが,期待以上のグルーブを生み出しているのが素晴らしい」と書いているぐらいなのだ。
しかしながら正直に言ってしまえば,私にとっては,小曽根真は器用な人であるがゆえに,何でもできてしまうのは事実なのだが,リスナーを桃源郷に導くだけのパワーが,ピアノでは不足しているように思える。だから,今回の新作を聞いても,普通じゃんという感触しか得られないし,魅力的なオリジナルに満ちているかと言えば決してそんなことはない。もっと挑発してくれないと,10年ぶりというのには不十分だと思えるのだ。はっきり言おう。私にとっては,このアルバムより,ドラマーのClarence Pennのリーダー作(記事はこちら)の方がずっとえぇわと思うのが正直なところなのだ。
多分,ブルーノートでのライブの場では文句は言わないだろうが,私はこのアルバムに対して高い評価を与えたいと思わない。小曽根がいるだけで,ブルーノートの客層は変わるが,彼ら(ほとんどは彼女たち)にとって文句なしの音楽に対しても,私はこの程度では満足できないと言ってしまうのである。正直言って国内盤だから仕方ないが,このアルバムに3,240円の大枚をはたくならば,安い輸入盤を私は3.5枚買う方がずっとましやと言っておこう。ということで星★★★が精一杯だ。標準的なレベルを脱していないのは致命的なのだ。
Recorded on February 8-10,2017
Personnel: 小曽根真(p),James Genus(b),Clarence Penn(ds)
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