超ハードル高い"Sankt Gerold"
"Sankt Gerold" Paul Bley / Evan Parker / Barre Philips(ECM)
メンツを見ただけで怖くなるアルバムってあると思う。同じトリオで吹き込んだ"Time Will Tell"ってアルバムがECMにはあるが,保有していても,それも滅多に聞かない。そして,このアルバムなんて,存在すら知らなかったのだが,先日中古盤屋で手頃な価格で売っていたので購入したものの,なかなかプレイバックする気になれず,放置状態がしばらく続いていた。
しかし,意を決して(笑)プレイバックしたら,おぉっ,正調フリー・ジャズと言うか,完全ノン・ビートで演じられるインプロヴァイズド・ミュージックである。この演奏がライブ録音というのが恐ろしいが,一体どういう聴衆が集まっていたのだろう?と思ってしまう。そもそもこれはどう考えても売れんだろうと思えるが,"Time Will Tell"はまだカタログに残っているが,本作はECMのサイトでももはやn/aとなってしまっている。さもありなん(爆)。
珍しくもプロデュースはManfred EicherとSteve Lakeの共同名義となっているが,これはどう考えてもSteve Lakeの趣味だよなぁ。トリオもしくは各人のソロで演じられる全12曲は,Variation 1~12と素っ気ないが,完全にフリー・インプロヴィゼーションなのだから,曲名なんて関係ないってところである。
私のようにフリー・ジャズには「激しさ」を求めるリスナーには,この演奏はやや欲求不満に響く。もちろん,Variation 4におけるEvan Parkerのソロなんて激しいものだが,2分足らずだしねぇ...。
ということで,本作はリスナーにとってはハードルの高い音楽であり,生半可な気持ちで手を出すと間違いなく後悔する,そんな一枚。当然のことながら,私にとってもそんな頻繁にプレイバックしたいと思わせる音楽ではない。但し,Jan Erik Kongshaugによるエンジニアリングは見事だと思う。 見事なまでに楽器の音を捉えたエンジニアリングも含めても星★★★が精一杯。
それにしても今年初めの段階では人口400人足らずの場所で,なんでこんなレコーディングが?って思うのは私だけではないだろう。下の写真はおそらく本作がレコーディングされた場所であるが,こんな小さな町で,そもそもこういう演奏を聞きに来たのって誰なんだ?(笑)
Recorded Live at the Monastery of Sankt Gerold in April 1996
Personnel: Paul Bley(p), Evan Parker(ss, ts), Barre Phillips(b)
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