Kenny Wheelerの"All the More":静謐さとスリルを兼ね備えるアルバム。
"All the More" Kenny Wheeler (Soul Note)
CDラックを見ていて,あぁ,これも久しく聞いていないなぁということで取り出したアルバムがKenny Wheelerである。このアルバム,なんと言っても,メンツがいいよねぇ。Azimuthのバンド・メイト,John Taylorに,ドラムスはBill Evansの最後のトリオを支えたJoe LaBarbera,そしてベースは名手,Furio Di Castriではまぁ悪いはずはない。
アルバムとしては静的な部分と,動的な部分が混在するものとなっているが,Kenny Wheelerのラッパも彼らしく響く。そうした中で,このアルバムの魅力は冒頭の"Phrase One"のTaylorのイントロからしてはっきりしている通り,明らかにJohn Taylorのピアノにある。美的なサウンドから,スリリングなソロまで,このアルバムのテクスチャーの根幹を築いているのは,John Taylorだと言いたい。
そもそも私はトランペットのワン・ホーン・アルバムを結構好むので,そうした嗜好に合致していることもある。ライナーを書いているのはなんと,Evan Parkerだが,Evan Parkerによれば,Kenny Wheelerのワンホーン・アルバムは,ECMでの"Gnu High"以来とのことである。ワンホーン・アルバムとしての要素と同時に,やはり私にとってはJohn Taylorである。"Mark Time"のピアノ・ソロのなんと素晴らしいことよ。Kenny Wheelerのトランペットはやや鋭角的に響く部分があって,音の好き嫌いがわかれるかもしれないが,John Taylorのピアノは誰にでも受け入れられるものと思う。
久しぶりに聞いてみて,このアルバムは,John Taylorを聞くためのものということにしておきたい。星★★★★。尚,ライナーではEvan Parkerは"Kind of Bill"がJoe LaBarbera作とし,クレジットでは"Nontheless"がJoe LaBarbera作となっているが,どっちが正しいのか?私は"Kind of Bill"をBill Evansと"Kind of Blue"にかけて説明したEvan Parker説を取りたいと思う。
Recorded on Octorber 31 and November 1, 1993
Personnle: Kenny Wheeler(tp, fl-h), John Taylor(p), Furio Di Castri(b), Joe LaBarbera(ds)
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