実にユニークなCharlie Parkerトリビュート盤。
"The Passion of Charlie Parker" Various Artists (Impulse)
これは実にユニークなCharlie Parkerへのトリビュート・アルバムである。プロデューサーのLarry Kleinが書いているように,現代にCharlie Parkerが生きていたら,こういう演奏をしたのではないかというかたちでのインタープリテーションを施し,Charlie Parkerの人生を辿るという趣旨の作品である。よって,典型的なビ・バップ表現で演じられるものではない。
ほぼ全曲でヴォーカリストが加わるとともに,伴奏陣はかなりコンテンポラリーな布陣である。そして作詞を手掛けているのが,懐かしやDavid Baerwaldである。David Baerwaldと言って,わかる人はもはや少ないかもしれないが,David Rickettsと組んだDavid + Davidというバンドでの"Boomtown"という結構いいアルバムや,その後のソロ・アルバムにはJoni Mitchellが1曲だけ参加した"Bedtime Stories"があった。"Bedtime Stories"はLarry Kleinが一部でプロデュースを担当していたから,随分長い付き合いの末の,今回の作詞家としての参加ってことになる。
Charlie Parkerの曲と言えば,バップ・テイストってのがお決まりのパターンなのに対し,ここでの演奏はどちらかと言えば,ソフトでけだるい感じを打ち出していて,結構ムーディだと言ってもよい。この伴奏陣からすれば,もう少し激しい演奏があってもよさそうなものだが,ここは意図的にそういうかたちにしていると思える。それがプロデューサー,Larry Kleinの狙いであり,それは成功していると言ってよいだろう。Billy ChildsによるLaura Nyroトリビュート,"Map to the Treasure: Reimagining Laura Nyro"でも素晴らしいプロデュースぶりだったLarry Kleinの見事な手腕もあり,非常に楽しめる作品となった。
これは普通のトリビュートではないが,こういうのも絶対ありだと思わせるに十分な作品。いいねぇ。星★★★★☆。尚,クレジットでMark Guilianaの名前のスペルがGiulianaと間違って記載されているのはご愛敬。でもそう思っちゃうのも納得なんだよねぇ(苦笑)。
Personnel: Madeleine Peyroux(vo), Barbara Hannigan(vo), Gregory Porter(vo), Jeffrey Wright(vo), Luciana Souza(vo), Kurt Elling(vo), Kandace Springs(vo), Melody Gardot(vo), Camille Bertault(vo), Donny McCaslin(ts), Ben Monder(g), Craig Taborn(p, el-p, org), Scott Colley(b), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds), Mark Guiliana(ds)
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