NHØPの天才を思い知らされるSahib Shihab盤。
"Conversations" Sahib Shihab (Black Lion)
毎度お馴染み新橋のテナーの聖地,Bar D2で飲んだくれているときに,マスターに何を掛けますか?と問われ,Sahib Shihabですかねぇと言ったらプレイバックされたのが本作である。その場でポチっとしてしまったのはいつものこと(苦笑)だが,このアルバム,私を購入に走らせたのはSahib Shihabではない。もちろん,Sahib Shihabはいつもながらの渋さではあるのだが,それよりも何よりも強烈だったのがNiels-Henning Ørsted Pedersen(長いので,以下NHØPと略す)のベースだったのである。
このアルバムが録音された時,NHØPは若干17歳だったはずである。しかし,ここに収められた演奏を聞いて,誰が17歳の演奏と想像できようか?今から四半世紀以上前に,NYCのBradley'sで初めてChristian McBrideを見た時も,彼はティーンエイジャーだったはずだが,その時にも驚いた私である。そんな私が生でこの演奏に接していたらぶっ飛んでいたこと間違いなしなのである。音がデカい。音が太い。フレーズはカッコいいしい,アーティキュレーションは完璧って,どういう暮らしをしたらこんなベースが弾けるのか?そもそもベースを習い始めたのが13歳で,翌年にはプロとして演奏ってのも信じがたいが,ここでのベースを聞いていれば,納得せざるをえない天才である。
タイトル・トラックはPart1~3で構成される組曲風であるが,そもそもPart 1から様々な曲調が現れてくるのだが,このメンツにこういう曲調が合っているかどうかは別にしても,この演奏は冒頭のNHØPのベースのイントロからして,極めて魅力的に響く。この音を聞いて何にも感じないのであれば,ジャズと相性がよくないと言いたくなるようにぞくぞくさせるように痺れる音である。そんな感じで,全編,私はNHØPのベースに注意が向いてしまうような感じである。
いやはやこれはやっぱり凄い。後年に渡って活躍するNHØPであるが,若い頃からこんな演奏をしていたのねぇって考えると感慨深い。しかもそれがコペンハーゲンの地で繰り広げられていたことを考えると,ますます興味深い。まぁ,本作が録音された年に公開された"Charade"なんかをやっているところに時代を感じさせるが,それはそれでご愛敬ってことで。アルバムとしては星★★★★ぐらいと思うが,NHØPのベースは間違いなく星★★★★★に値する。いやはや凄いですわ。
Recorded Live at Montmartre Jazzhuis on October 3, 1963
Personnel: Shaib Shihab(as, bs, ss, fl), Alan Botchinsky(fl-h), Ole Molin(g), Niels-Henning Ørsted Pedersen(b), Alex Riel(ds), Bjarne Rostvold(ds)
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ときどき拝読させていただいております。いつもToshiyaさんのジャズに関する知識の豊富さに驚愕しております。
私もPedersenさんは大好きです。彼が演奏しているCDは、オスカーピーターソンのアルバムくらいしか持っていないのですが、このアルバムでの演奏も素晴らしいですね。本当に10代での演奏なんて信じられません。同じデンマーク出身のChris Minh Doky も大好きです。 I Skovens Dybe Stille Ro というデンマーク民謡の演奏を聴き比べてみたりしています。これからも素敵な記事を楽しみにしています。
投稿: ガッツかよめ | 2017年5月 5日 (金) 11時34分
ガッツかよめさん,こんにちは。コメントありがとうございます。
ジャズの知識と言われるとお恥ずかしい限りです。まぁ長年聞いていると,ある程度は情報はたまりますが,私の場合,音楽の趣味が雑食ですから,情報を処理しきれないというのも事実です。
その一方で。私はNHØPがOscar Petersonとやったのはほとんど聞いたことがないっていうのが実態なんですよ。
Chris Minh DokyはMike Sternとのライブで,ちょっと話す機会がありましたけれども,本当のナイス・ガイですね。"I Skovens Dybe Stille Ro"は"Scenes from a Dream"でお聞きになっていますかね。あれは美しく,そして素晴らしいアルバムでした。
ということで,引き続きよろしくお願いします。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年5月 5日 (金) 12時26分