Julia Hülsmann:ECMらしい静謐なピアノ・トリオ
"Sooner And Later" Julia Hülsmann Trio(ECM)
私はこの人のアルバムは購入しているものの,昨今のECMのリリース・ラッシュに圧倒され,購入後積んどく状態になっているものがある。2011年リリースの"Imprint"なんて,ジャケは印象に残っているのだが,どうしても見つからない。ってことは購入していないのか?(爆)
というような状態で,このブログにもこの人のアルバムは"The End of a Summer"をアップしているだけである(記事はこちら)。ということで,本ブログでは久々のJulia Hülsmannということになるが,いかにもECMらしい静謐系ピアノ・トリオの音には,このレーベルの音楽を愛好するリスナーなら嬉しくなってしまうこと必定である。
やはりこの系統の音楽はECMの代表みたいなところがあって,昨今,ピアノ・トリオのアルバムが続々とリリースされるECMレーベルでは,大体こういう感じが多い。そして大概,私の場合はやられてしまうのである。もはや中毒性の音楽と言ってもよい。美的な音楽であり,基本的には静謐なサウンドであるが,本作においてはビートを効かせた曲もあって,難解なところは何もない。だからこそ,ほかのECMレーベルの作品よりも,一般的なリスナーにも訴求するのではないかと思える。
例えば,"Soon"のような曲では,シンセサイザーかエレピを使うと,更に面白い効果が得られるようにも感じられるが,そこは総帥Manfred Eicherが許さないってところか(笑)。いずれにしても,昨今のECMのピアノ・トリオにははずれは少ないが,本作にも大いに満足させられた私である。Benedikt Jahnelといい,このトリオといい,いいねぇ。ってことで,評価もついつい甘くなり星★★★★☆。
Recorded in September 2016
Personnel: Julia Hülsmann(p), Marc Muelbauer(b), Heinrich Köbberling(ds)
« 大いに楽しめるImpossible Gentlemenの第3作 | トップページ | ようやく到着:"All Things Must Pass"のアナログ盤。 »
「ECM」カテゴリの記事
- 今,ECMに求めうる理想の音と言ってもよい田中鮎美のトリオ作。(2026.09.25)
- 滋味溢れるとでも言うべきSteve Swallowの新作。(2026.07.02)
- 現物はこれからだが,ストリーミングで聞いたMick GoodrickとFred Herschのデュオ。この発掘は素晴らしい。(2026.06.23)
- Joe LovanoとJulian Lageの双頭作と呼びたい"Parmount Quartet"。(2026.06.02)
- Egberto Gismonti & Daniel Murray@渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール参戦記。(2026.05.28)
「新譜」カテゴリの記事
- Dave Hollandの未発表ライブ音源が早くもデリバリーされた。つくづく凄い人だ。(2026.10.11)
- Meshell Ndegeocelloの新作が最高だ。もはや完全にプロデューサーの世界。(2026.10.08)
- JD Allenの濃い~新作はリズム隊のドローン的な響きにテナーが乗ると言えばいいか。(2026.10.09)
- 先日のライブを受けて購入したToninho Hortaの新譜はアメリカン・スタンダード集だが...。(2026.10.06)
- アルバムを聞いて,彼らのライブへの期待値が異常に高まるMessthetics & James Brandon Lewis。(2026.10.05)
「ジャズ(2017年の記事)」カテゴリの記事
- Peter Brötzmannの咆哮。たまりまへん。(2020.01.20)
- 2017年の回顧:音楽ージャズ編(2017.12.30)
- 前作は一体何だったんだと言いたくなる大西順子の新作(2017.12.26)
- Marc Copland:今年最後の新譜はこれだろうなぁ。(2017.12.27)
- 中年音楽狂のNY夜遊び日記:その4(最終回)(2017.12.18)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Julia Hülsmann:ECMらしい静謐なピアノ・トリオ:
» Sooner And Later/Julia Hulsmann Trio [ジャズCDの個人ページBlog]
ECMレーベル新譜2枚中の2枚目。Julia Hulsmannのトリオのアルバム [続きを読む]
» ジュリア・ハルスマン・トリオJulia Hülsmann Trio 「Sooner and Later」 [灰とダイアモンドと月の裏側の世界]
ECM流のピアノ・トリオ・アルバムだが・・・・高尚の一言 <Jazz>Julia [続きを読む]
« 大いに楽しめるImpossible Gentlemenの第3作 | トップページ | ようやく到着:"All Things Must Pass"のアナログ盤。 »













































































以前、ECMはピアノトリオ比率が高くない、という事を書きましたけど、最近はそれでも少し多くなってきたような気がします。
ここでこのアルバムですが、トリオではちょっと久しぶりという事もありますが、それでも期待通りの作品に仕上げてくれたのはいいですね。このところの毎年ECMの大量リリースにはちょっとアップアップしてますが(笑)。
投稿: 910 | 2017年4月 2日 (日) 17時21分
910さん,こんばんは。TBありがとうございます。
本当にECMのリリース・ラッシュにはついていけません(苦笑)。まぁ,私は全部買いではありませんので,まだ何とか持ちこたえていますが,それでもなかなか聞き切れないのも事実です。
そんな中で,このアルバムもそうですし,一定以上のクォリティを維持しているのは凄いですねぇ。その一方で,最近私は旧作含めてNew Seriesのピアノ現代音楽にずっぽしはまっていますが。本当に罪なレーベルです。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年4月 2日 (日) 18時28分
このアルバムは、ふと一人になって我に返って心を休めるときに聴いています。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年4月15日 (土) 10時18分
風呂井戸さん,こんにちは。TBありがとうございます。
ECMのアルバムは総じて静謐系が多いので,心休まるものもありますねぇ。たまに激しいのに出くわすとびっくりしてしまいますが(笑)。
このアルバムも非常にいい感じでした。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年4月15日 (土) 15時27分