大いに楽しめるImpossible Gentlemenの第3作
"Let's Get Deluxe" The Impossible Gentlemen(Basho)
これは昨年の6月にリリースされていたようだが,全く認識していなかったことは以前にも書いた。しかし,第1作,第2作ともに結構高く評価してきた私(記事はこちらとこちら)としては,このリリースを知ってしまえば,買わないわけにはいかない。当初はApple Musicで聞いて,間違いないのはわかっていたが,ようやく届いた現物で改めて聞いてみると,やはりこのバンド,レベルが高い。
前の2作ではベースはSteve Swallowだったが,今回はSwallowに代わって,Pat Metheny GroupのSteve Rodbyが参加している。Rodbyは第2作のプロデュースもしていたので,そうした縁もあってのことと思うが,バンドの演奏とは完全にフィットしている。まぁ,Gwilym Simcockは現在はPat Methenyのバンドで演奏しているので,同質性はあったということだろうが,今回のようなコンテンポラリーなサウンドには,Steve Rodbyってのは結構フィットするってことであろう。更に,今回はリード奏者,Iain Dixonの名前もメンバーに加わっているが,全面参加ではなく,ゲスト的な扱いのように思える。
このバンドは,本質的にはGwilym SimcockとMike Walkerの双頭バンドという位置づけだと思うが,Mike Walkerはジャズだけでなく,ロック的なフレイヴァーも打ち出せるフレージングの能力を持っていて,Gwilym Simcockの多彩さとも相俟って,今回もいけている音楽を聞かせる。Iain Dixonの参加に加えて,一部ストリングスも加わって,バンドとしての色彩感は従来に増したものとなっているが,それを支えているのがGwilym SimcockとMike Walkerの作曲能力とアレンジメント能力と言っても過言ではない。
賑々しく始まるタイトル・トラックに続いて演じられる"It Could Have Been a Simple Goodbye"はライブではJohnn Taylorを偲んで演じているらしい美しいバラッドである。こういう演奏こそ"Tribute"として演じられるに相応しいと思える。こうした曲調のバランスを含めて,今回もよくできたアルバムである。星★★★★☆。それにしても,Gwilym Simcockのマルチ・インスト奏者ぶりは,Pat Methenyとのバンドでもいつか披露されるに違いないと思うのは私だけだろうか?大した才能である。
リリースは昨年だが,注目度を上げるため,新譜扱いとしてしまおう。
Personnel: Mike Walker(g, dog whistle), Gwilym Simcock(p, key, fr-h, fl-h, accordion, vib, marimba, perc), Iain Dixon(ss, ts, cl, b-cl., fl, a-fl), Steve Rodby(b), Adam Nussbaum(ds)
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コメント
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恥ずかしながらThe Impossible Gentlemen初めて知りました。うーん、これはPat Methenyが気に入りそうなKeyboard奏者ですね。私も気に入りました。
投稿: カビゴン | 2017年4月 2日 (日) 07時41分
カビゴンさん,続けてこんばんは。
Gwilym Simcockを初めて聞いたのはWayne Krantz目当てで行ったロンドンのライブ・ハウスでしたが,その時はHerbie Hancockのようなフレージングを繰り出すって書いてますねぇ。
Pat MethenyとのライブではLyle Maysの後継者になれると思いましたが,なかなかいいプレイヤーだと思っています。Simcock Garland Sirkis名義の"Lighthouse"もいいアルバムですよ。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年4月 2日 (日) 18時25分