Electric Miles Band@Billboard Live Tokyo参戦記

Miles Davisのバンドに在籍したメンバーが集って,エレクトリック期のMilesナンバーを演奏するという企画自体はわからないわけではない。私もエレクトリック期のMilesのアルバムはブートレッグを含めて,相当量聞いているので,興味もあるところでライブに参戦してきた。
結論から言えば,演奏自体には全く破たんはないし,メンバーそれぞれにスポットライトを当てるというのはこうしたバンドとしては当然のことだろう。だが,演奏を聞いていて,どうにもゆるい。より端的に言えば,緊張感に乏しいのである。典型的な「昔の名前で出ています」的な演奏と言えばいいだろうか。先日のLevel 42の演奏が,現役感バリバリで,かつエンタテインメントだったのに対し,どうも「お仕事」的な感覚が強い。
正直言って,客入りも芳しくはない中,演奏に対する受けが悪いのは,聴衆が期待するようなテンションを発露できなかったからだと思う。各々のソロとかに問題があるというわけではない。結局のところ,Milesのにらみが効いていなければ,同じようなメンツで,同じような曲をやっても全然違うものにしかならないという,当たり前と言えば当たり前のような事象が発生していたのである。結局,私はライブの間,Milesは偉大だったと思わざるを得なかったというのが正直なところである。
より今日的な部分を示そうと思えば,DJ Logicをもっとフィーチャーするということもできたはずだが,DJ Logicについてはほとんど見せ場もなく,一番可哀そうだったのは彼だと思えた。バックで,ゆるゆるにターンテーブルを回しているだけでは,DJとしての力は全然発揮のしようがなかったというところである。ここにDarryl Jonesがいたことは驚きではあったが,Rolling Stonesの仕事がない時はこういう演奏をしてるってことかもしれないが,それにしても,昔のようなファンク・フレイヴァーをもっと聞かせてもよかったと思う。
ということで,ライブが全部が全部当たりになることはないが,これははっきり言って残念ながらはずれの演奏であった。ライブ終了後,つくづくMiles本人の演奏が聞きたくなっていた私である。
Live at Billboard Live東京 on April 7, 2017
Personnel: Vince Wilburn Jr.(ds), Munyungo Jackson(perc), Blackbyrd McKnight(g), DJ Logic(turntable), Robert Irving Ⅲ(key), Greg Spero(key), Antoine Roney(ss, ts, b-cl), Darryl Jones(b), Debasish Chaudhauri(tabla), Etienne Charles(tp)
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