Esperanza Spalding@Blue Note参戦記
私が,Esperanza Spaldingのライブを見たのはほぼ4年前のオーチャード・ホールに遡る(その時の記事はこちら)。その後も昨年は"Emily's D+Evolution"のリリースを受けたツアーを行っているが,それは私は見ていない。だが,新作はミュージック・マガジン誌ではアメリカン・ロックとして評価されていて,へぇ~と思っていた私である。
そんなEsperanza Spaldingが突如,トリオで来日してBlue Note東京でライブをやると聞いては,やはり気になる。告知されたのが公演約1カ月前ぐらいだったはずなので,急きょ決定みたいな感じだったのではないかと思える。ということで,初日の2ndセットに参戦してきたのだが,この公演は,最近では最もネットの予約がつながりにくかったものの一つと言ってもよいかもしれない。それぐらいの大人気で,3日間,ほぼソールド・アウトのような状態のようである。
今回はEsperanzaのベース,ヴォーカルにギター,ドラムスという最小編成と言ってよいものであったが,際立つのがEsperanza Spauldingのベーシストとしての手腕である。とにかくうまい。アコースティック・ベース,フレットレス5弦エレクトリック・ベースをほぼ半々で弾いたEsperanzaであったが,ファンクであれ,ブラジル・フレイヴァーであれ,4ビートであれ,何でもござれである。しかもそれが素晴らしい音で奏でられるのだから,ベーシストとしてだけ活動しても間違いなくやっていけると確信させるに十分。そこにあの声がかぶさると,もはやジャズ界では無敵って感じがする。私は,ヴォーカルの魅力は認めつつも,今回は完全にベース・プレイヤーとしてのEsperanzaに圧倒されたというのが正直なところである。
そのEsperanzaを支えたギターのMatthew Stevensはリーダー作もリリースしているが,テレキャス1本,かつエフェクターにほとんど頼らない音で勝負するという感じであった。この人のフレーズのアウト感覚には,聞きながら,「変わってるわ~」と思わせつつも,聴衆には受けていた。ギターは変態的だが,1stと2ndの間に,トイレの脇でスマホをいじくっていた彼を目ざとく見つけた私は,ちょいと声を掛けたが,話しっぷりは好青年そのもの。握手の力強さが印象的なナイスガイだったということは付け加えておこう。
そして,ドラムスのJustin Tysonはサポートに徹するという感じの叩きっぷりであったが,非常にタイトなドラミングはバンドとしてのノリをプッシュする力強さがあったと思う。
曲は新旧取り混ぜて満遍なくって感じだったが,私はWayne Shorterの曲にEsperanzaが詞を付けた"Endangered Species"のファンク的な乗りがベース,ヴォーカルともに一番だったと思っている。ちなみにEsperanzaは途中で,聴衆がおとなしいって言っていたが,確かに普段の彼女のライブならば,もう少しワイルドなレスポンスがあるのかもしれない。まぁ,大部分はロックなノリの聴衆ではなかったので,まぁそれも仕方ないだろう。
演奏は本チャンが55分ぐらいの短めのセットだったが,アンコール2回で都合75分ということで,まぁ普通かなぁってところであったが,やはり日頃からエンタテイメントとしてのライブを行っていることを感じさせる演奏で,大いに楽しめた。これで私の体調がもう少しよければ,尚よかったんだけどねぇ(苦笑)。
Live at Blue Note東京 on March 27, 2017,2ndセット
Personnel: Esperanza Spalding(b, vo),Matthew Stevens(g),Justin Tyson(ds)
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3人のジャズ編成を御覧になられて良かったと思います。昨年、D+Evolutionのコンサートを見ましたが、アルバムがコンセントアルバムであることもあり、最初から最後までぶっ通し、聴衆を無視して芝居仕立てでアルバム一枚やり切っていて、それはそれは異常でした。スリムでスレンダーで声も可愛いし、ベースも上手いのだけど、もう二度と見たくないという気になりました。残念なコンサートの筆頭に来るようなコンサートでしたね。
投稿: カビゴン | 2017年4月 2日 (日) 07時24分
カビゴンさん,こんばんは。
そうだったんですか。アルバムそのものがコンセプチュアルだっただけに,ライブもそれに即したかたちでやっていたってことですね。
今回は全くそういう形とは異なっていましたので,私は大いに楽しめましたが,連続で演奏するっていうのは,以前ブログにアップしたEric Harlandのライブもそういう感じで,その時は私も聴衆とのコミュニケーションに問題があると感じましたから,多分同じような感触でしょうね。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年4月 2日 (日) 18時17分
閣下、今更ですが、、やっとブログアップしたので、、トラバいたします。
いや、凄まじいテクニック(歌もベースも)で、攻めの姿勢を崩さず、
本当に目が点でした。あの変な選曲もつぼりました。
そして、ギターもドラムも巧かったのですが、なんせ、超テクニシャンがおるんで、、どうしたって、彼女に釘付け。
いや、、可愛かったですね。。
投稿: Suzuck | 2017年4月 4日 (火) 19時22分
Suzuckさん,こんばんは。返信がおそくなりました。TBありがとうございます。
確かにキュートな見た目からは想像できないベースのフレージングを繰り出しながら,きっちり歌ってしまうってのがEsperanzaの凄いところですよねぇ。私も大いに楽しみました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年4月 5日 (水) 23時59分