Alan Skidmore:こいつは激しい!
"S.O.H." Alan Skidmore / Tony Oxley / Ali Haurand (EGO)
これは以前,このブログでも取り上げたLeszek Zadloのアルバム(その記事はこちら)が聞きたくて購入したEGO Boxに含まれている1枚である。購入したのは随分前になるのだが,長いこと寝かせてしまった。こういうアルバムは,まじで気まぐれか,何かの拍子ではないと聞く機会は少ないと思うのだが,聞いたら嬉しくなってしまうアルバムである。
なぜか。これが激しいピアノレスのサックス・トリオ・アルバムだからである。そもそもAlan SkidmoreはJohn Coltraneへのシンパシーを隠さない人だと思うが,サウンドは違えども,後期Coltraneと同様の激しさを持つアルバムで,この手の音楽に耐性がない人には決して勧められないが,好き者にはたまらないフリー・ジャズ的演奏である。フリー的と言っても,3曲目の"Trio Nr. 10"以外はちゃんと音楽としては成立している(笑)ので,怖がることはない。単に強烈なスリルとエネルギーに溢れた音楽として楽しめばいいということである。但し,"Trio Nr. 10"については,コレクティブ・インプロヴィゼーションでやったのだろうが,あ~あ,やっちゃったって感じの音なので,これはまぁさておきということにしておこう。
まぁ,こういうアルバムを作ってしまうというところが,いかにもドイツのレーベルって気がしないでもないが,同じドイツでもECMとはえらい違いである。もちろん,ECMにも激しいアルバムはあるが,ここまでの熱量はないだろう。ドイツというのは,ジャズの世界では,こういう世界のアルバムが結構制作されているという不思議な国である。そう言えばFMPもドイツだよねぇ。オランダのBvhaastとか,どうして欧州からこういう方向に行ってしまうのかって考えると,背景にクラシック音楽があるがゆえの逆の方向性なのではないかとも思える。
それはさておき,私にとっては,こういう音楽は,いつもなら夏の暑い時期に聞きたくなるようなサウンドである。しかし,これまで未聴でやり過ごしてきてしまったせいで,こんなんだったんかぁ~ってことを今頃気づいているのだから,仕方がない。本来なら,音量を上げて聞きたいアルバムであるが,家人の顰蹙を買うことは確実なので,音量を絞って聞いたが,それでも激しさは十分に感じられるのだから大したものである。
1979年なんて言うと,フュージョン全盛の時期に,その一方でこんな音楽が生まれていたということを考えると,今更ながら面白いよねぇと思うが,私はこの音楽は大いに支持したいと思う。そうした中での"Trio Nr. 10"のいけてない感じと,最後の"Lost in W.G."のフェード・アウトは気に入らない。それだったら,"Trio Nr. 10"をオミットして,"Lost in W.G."をフル収録すればいいものをと思ってしまうのは減点対象ではあるが,聞いていて思わず,笑いながらも燃えてしまった私であった。星★★★★。
Recorded in February, 1979
Personnel: Alan Skidmore(ts, ss), Tony Oxley(ds), Ali Haurand(b)
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