Velentine's Dayには"My Funny Valentine"
"My Funny Valentine" Miles Davis(Columbia)
バレンタイン・デーというイベントには全く興味がない,と言うよりも,なんでチョコレートやねん?という思いが強い私である。そもそもは男性から女性に何かを贈っても,逆でも全然かわまわない日であって,恋人,あるいは愛し合う人たちが愛を深めればいい。そういう思いは,"My Funny Valentine"の歌詞にこそ表れていると思うが,まぁ固いことは言うまい。
ってことではあるが,St. Valentine's Dayにはやっぱりこれよってことで,Milesのアルバムを久しぶりに聞いた私である。我ながらベタなチョイスと言われれば,反論の余地はない(苦笑)が,一言で言えば,これこそビター・スウィートの極みって感じの演奏である。同じ"My Funny Valentine"でも,ミュートで吹いた"Cookin'"と,オープンで吹いた本作の演奏では大きな違いがある。"Cookin'"がリリシズムだとすれば,こちらは私にはハードボイルドに聞こえる。
同じタイミングで吹き込んだ"'Four' & More"が息つく暇も与えない強烈なアクション映画だとすれば,本作はフィルム・ノワールの世界のようにも思えるが,本当にこのアルバムを久々にプレイバックしてみて,「大人の世界」に浸ってしまった気がした。ちゃらちゃらしたところはない。ここでの"My Funny Valentine"を聞いて,これってラブソング?って思ってしまうぐらいである。このアルバムが吹き込まれたのは2/12だったので,バレンタイン・デーに近いところで,愛を語らう恋人たちも会場にいたはずだが,彼らがこの演奏を聞いてどう思ったのか?愛は深まるのか?その前に感動してしまうか。
このダークな雰囲気でこの曲をやられてしまえば,この曲の解釈としてはどうなんだという指摘も出てくるかもしれない。しかし,やはりこれが強烈な名演であることには疑問の余地はない。"My Funny Valentine"のみならず,全編に渡って,Milesのバラッド表現の素晴らしさを堪能した私であった。ベタなチョイスであろうがなかろうが,聞いてよかったわ~。ってことで,星★★★★★以外はありえまい。今更ではあるが,素晴らしい。
Recorded Live at the Philharmonic Hall, Lincoln Center on February 12, 1964
Personnel: Miles Davis(tp), George Coleman(ts), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)
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コメント
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ものすごいスピードで進化し続ける途中でのこのアルバムの演奏、なかなか素晴らしいものがあります。あえて「フォア&モア」と分けたのも良かったです。もっと前の時代のバラードには戻らないけど、いい塩梅でのこの時期のバラード集になりました。星は私はつけてないけどやはり気持ち的には同じだと思います。
当方のリンクは下記になります。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2020/05/post-800801.html
投稿: 910 | 2020年5月22日 (金) 22時30分
910さん.おはようございます。リンクありがとうございます。
急成長するバンドとは言え,バラッドばかりを集めるという制作方針はチャレンジングでしたが,大成功でしたね。
投稿: 中年音楽狂 | 2020年5月23日 (土) 06時10分