来日目前:Joey CalderazzoのBlue Note音源を改めて聞く。
"The Traveller" Joey Calderazzo(Blue Note)
来週(2/20-23),Cotton ClubにOrlando Le FlemingとDonald Edwardsとのトリオで出演するJoey Calderazzoであるが,私は長年彼を推してきたにもかかわらず,これまで彼のライブにはほとんど縁がなかった。それはタイミングの問題が一番大きいのだが,今回はようやく彼の生の演奏に接することができる。もしかすると,Michael Breckerのバンドが90年か91年頃,NYCのTown HallにおけるAndy Summersとのバンドとのダブル・ビルで行ったライブで,ピアノを弾いていたのは彼だったかもしれないが...。遠い昔で記憶の彼方である。いずれにしても,私はJoey Calderazzoのピアノが最もよかったのは90年代前半,Blue Noteレーベルに吹き込んだ3枚の頃だと思っている。今日はそのうち,3作目でピアノ・トリオ・フォーマットによる本作である。
本作も冒頭のCalderazzoのオリジナル,"No Adults"から快調なピアノで,最初からぞくぞくさせてくれる。本作はCalderazzoのオリジナル3曲に加えて,John Patittucciのオリジナル1曲,そして結構有名なジャズ・オリジナルやスタンダードで構成されているが,ピアノ・トリオの実力を知るには適切なプログラムだと思える。2曲目は"Blue in Green"はバラッド表現,3曲目"Dolphin Dance"はHerbie Hancockとの比較等の観点である。
そして,このアルバム,2組のトリオから構成されているが,結構違いがあって,それも面白い。Pattitucci~ErskineとJay Anderson~Jeff Hershfieldというリズムのどちらが好みかはリスナーによるだろうが,どちらも悪くないとしても,Joey CalderazzoにフィットしているのはPatitucci~Erskineの方だと思える。だがAnderson~Hershfieldとのコンビネーションも決して悪いということではなく,"Black Nile"なんていい演奏だと思う。どちらがいいかというのはあくまでも感覚的なものであるが,Joey Calderazzoの当時のピアノ・スタイルからは,私は前者を推すというだけのことである。
Blue Noteに吹き込んだ前2作は,第1作"In the Door"はMichael Breckerの,第2作"To Know One"はJack DeJohnetteとCalderazzoの共同によるプロデュースということもあり,豪華なホーン・プレイヤーを擁したものだったのに対し,本作はピアノ・トリオによる演奏ということで,ライナーにRichie Beirachも書いている通り,Joey Calderazzoの本質を更に表現できるかの「テスト」だったと言えるが,楽々我々の期待をクリアしてしまったという気がする。やはりBlue Noteレーベル時代のJoey Calderazzoはいけていた。どうせならフェード・アウトなんかしなけりゃいいのにと感じさせる部分はもったいないが,今聞いても十分楽しめる。しかし,これがリリースされてから四半世紀近くが経過してしまっているという事実に愕然とした私であった。星★★★★☆。
Personnel: Joey Calderazzo(p), John Patitucci(b), Jay Anderson(b), Peter Erskine(ds), Jeff Hershfield(ds)
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