これまた久しぶりに聞いたTete Montoliú,そしてどこへ行ったか,Harper Brothers?
"En el San Juan" Tete Montoliú(Nuevos Medios)
このアルバムも,長年ラックで眠っていたものである。これは高田馬場のMilestoneで聞かせてもらって,味のある演奏だと思い,すぐに買いに走ったアルバムという記憶がある。今にして思えば,ここに参加しているPhillip HarperとWinard HarperはHarper Brothersとしてアルバムもリリースしていたのだが,その後,ほとんど音信不通のようになってしまった。リーダーのTete Montoliúもこのアルバムの録音から2年後には亡くなってしまったが,そもそもこのアルバムが録音されてから既に20年以上経過しているというのがある意味信じがたい(苦笑)。
今,聞いても,なかなかいいライブ・アルバムだと思えるのだが,どうしても無視できない瑕疵があるのが残念である。それはフリューゲルホーンで参加しているDanny Harperというラッパがあまりにもほかのミュージシャンと実力差があり過ぎて,これはいかんともしがたく,このアルバムの価値を下げてしまっているのだ。
Danny Harperってぐらいだから,この人もHarper Familyなのかもしれないが,これはさすがにいかんだろうと言いたくなるような演奏である。このDanny Harperさえいなければ,このアルバムはもっといいものになったはずである。PhillipとWinardもまだまだやれる時期と見えて,いい演奏を聞かせているだけに,これは何とももったいない気がする。また,テナーを吹いているStephen Rileyはその後,Steeplechaseレーベルにリーダー作を何枚も残しているし,ベースは北川潔なのだから,やはりDanny Harperの格落ち感は明らかである。まぁ,この人,ジャム・セッションのリーダーを務めて,ジャズ・シーンへの貢献はしているという事実はあるようなのだが,そういったところを勘案しても,レコーディング・アーティストとしてはどうかと感じさせる吹奏っぷりなのである。
だが,このアルバムはそうした瑕疵に目をつぶって,Tete Montoliúのピアノに耳を傾けていればよいという気もする。激しくスイングするシーン,しっとりとしたバラッドを聞かせるシーン等々,この人のピアノはやはりこのアルバムに華を与えている。盲目というハンディキャップをものともしない演奏とはこういうものだろうと言いたくなる。ほかのアルバムも聞いてみたくさせるそんなピアノであった。Tete Montoliúに免じて,甘めの星★★★★。
Recorded Live at Colegio Mayor San Juan Evangeliste, Madrid on June 19, 1995
Personnel: Tete Montoliú(p), Stephen Riley(ts), Philllip Harper(tp), Danny Harper(fl-h), 北川潔(b),Winard Harper(ds)
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