またも凄い発掘音源現る:Jim Hall & Red Mitchellのデュオ・ライブ未発表音源。渋い!
"Valse Hot: Sweet Basil 1978" Jim Hall & Red Mitchell(ArtistShare)
Jim HallとRed Mitchellにはそれはそれは渋いSweet Basilでのライブ盤がArtist Houseレーベルから出ていて,それについてはこのブログにも書いている(記事はこちら)。とにかく,Jim Hallは若い頃から若年寄的ムードを醸し出していたが,やっぱり渋い人なのである。そしてデュオのパートナーはRed Mitchellなのだ。Ron Carterとのデュオとは確実に違う世界が生まれてしまう。Artist House盤はCD化されたこともないはずだが,今回出たこのアルバムはほぼ同じタイミングでも録音日がちょっと異なる(本作が1/18, 19の両日で,Artist House盤は1/20,21録音)という音源だが,この二人のやることだけに,音の印象は全然変わらない。やっぱり渋いとしか言いようがないのである(笑)。
今回リリースされたアルバムでは同じ音源を通常音源とハイレゾ音源の2枚組としているが,正直言ってこんなことをするなら,1枚にして値段を下げてもらった方がいいのだが。最近,Blu-rayとDVDをセットで出すことが多いのと同じような感じなのだろうが,どうなんだろうねぇ...。まぁ,それはさておき,こんな音源が発掘されるだけでも喜ばなければならないというのは間違いない事実である。私が最初に聞いたのは通常CDであるが,追って音の比較でもしてみることにしよう。しかし,私のオーディオ・セットでは違いがわかるかどうか...(苦笑)。
それはさておき,Artist House盤が彼らのオリジナルを中心にしたものだったのに対し,こちらはスタンダード集である。演奏する日によって,レパートリーを変えていたのかなぁとも思わせるが,こっちも録音しておいてくれてよかったわぁと言いたくなるような好盤である。本当に彼らによる"There Is No Greater Love"なんて最高である。私はArtist House盤には星★★★★をつけているが,本作もレベルとしては変わらないので,同星としてもいいのだが,このアルバムは出たことに意義があるということで,半星加点して星★★★★☆としよう。本作に関しては,ArtsitShareのサイトにはLimited Editionと書いてあるから,関心のある方は,なくならないうちに買っておくのが得策だろう。
それにしても,Sweet Basilってクラブは,結構いいクラブだったと今にして思う。私も在米中を含め何度か行ったのも懐かしい。Gil Evans,Steve Grossman,山下洋輔,John Scofield,Nat Adderley等々。Nat Adderleyの時はNew Year's Eveをここで過ごしたんだったなぁ...(遠い目)。
Recorded Live at Sweet Basil on January 18 & 19. 1978
Personnel: Jim Hall(g),Red Mitchell(b)
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