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2016年11月 3日 (木)

Fred Hersch Trio@Cotton Club参戦記

Fred_hersch_cotton_club

ここのところ,毎年のように来日して,私を感動させてくれるFred Herschだが,今回はトリオでの来日ということで,大阪出張から直接Cotton Clubに駆け付けた私であった。そうすると,1st終了後から2nd開始を待つ間にもブログのお知り合いに遭遇したり,その方々のご縁で,私のブログの読者の方にご挨拶させて頂いたり,更にはあのFred Herschの感動的カザルス・ホールのライブをプロデュースされた方にもお会いすることができ,お話をさせて頂くなど,貴重な時間を過ごすことができた。言い換えれば,濃い~メンツが集結していたということでもあるが...(笑)。

最近のHerschはソロとトリオで交互に来日しているが,今回の演奏を聞いて,Fred Herschがソロとトリオで,表現方法を変えてきているのではないかと思えた。ソロは徹底的に美的な世界を描き出すが,トリオではよりグループとしての表現を重んじているように思えるのだ。ベースのJohn Hébertに相当のソロ・スペースを与えるだけでなく,結構きっちりしたアレンジも施しているように思えて,このトリオによる表現手法を更に高いレベルに持って行こうとする意思が感じられたのであった。もちろん,Fred Herschのピアノが主役であることには間違いないのだが,それでもソロとは異なる取り組みが感じられたのは,最新アルバム同様だと思える。

演奏も,最新作同様,前半のややアブストラクトな響きを持つものから,徐々にFred Herschの美麗なピアニズムを感じさせる演奏に展開していくという感じであったが,私にとっては,Wayne Shorterの"Miyako"~"Black Nile",そして"Floating"へ展開するあたりが,今回の演奏の白眉であり,これこそHerschの真骨頂だと思わせた。

そして,アンコールで演じられた"Valentine"の美しさと言ったら...。もはや昇天寸前となった私であった(笑)。

今回の演奏を聞いていて思ったのは,彼らの非常に繊細な音を再現すべく,PAが非常に趣味のいいレベルに調整されていることであり,それが実に素晴らしい。とにかく,増幅感がなく,原音を聞いているかのような印象さえ与えるのは,彼らのミュージシャンとしての手腕もあるが,どういう音で聞かせるべきかを理解していると思えた。Eric McPhersonなんて,ちょっと見は竹中直人みたいな感じもする(爆)のに,叩き出すリズムのサトルさは半端ではなかったが,そうした音を十分に感じられる優れたPAだったと言える。先日大音量で聞いたWayne Krantzと同じ場所か?と思ってしまったぐらいだ(いい意味で)。

そして,今回も終演後,Fred Herschとちらっと話をする機会があったが,次はソロだねと言ったら,"I Hope So"と言っていた。ってことで,恒例に従い(笑),今年も5枚のCDを持参して,サインをしてもらったわけだが,アルバムごとにペンを変えたり,メッセージもいろいろ変えてくれるところなど,この人は本当にいい人だと言わざるを得ない。今回も新作,古いもの,レアもの,Favorite盤("Song Without Words")と一応組合せを考えて持って行っているところが,我ながらミーハーだが,それが何か?と開き直ろう。

いずれにしても,これからも健康で,本当に毎年来日して欲しいものである。

Live at Cotton Club東京 on November 2, 2016,2ndセット

Personnel: Fred Hersch(p), John Hébert(b), Eric McPherson(ds)

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ジャズ(2016年の記事)」カテゴリの記事

コメント

昨晩はありがとうございました。
予想以上に、もの凄く素晴らしい演奏を堪能いたしました。
自分は、昇天寸前というか、ほとんど昇天してました。

この感動に、TBさせていただきます。

oza。さん,おはようございます。TBありがとうございます。

私はHerschの手元が見える席で,ずっと彼のプレイを眺めていましたが,本当に繊細なタッチだと思いました。トリオとしても,非常に高いレベルに達していたと思います。

健康状態もいいようですから,ますますの活躍を期待するとともに,またの来日を待ちたいと思います。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

皆さんのライブのコメントから至福の時間だったことが伝わってきます。Hersch体調も良さそうでしたか?次回はぜひ体感してみたいです。東京だけなら遠征になりますが、間違いなく、それだけの価値があるでしょうから。

rqさん,おはようございます。

Herschの体調は完全に復調していると思いました。顔色もよかったですし,しっかりしたものでした。

多分,今の調子ならば,来年も必ず日本に来ると思いますし,順番からするとソロでの来日になり,超美的なピアノを聞かせてくれるものと確信しています。遠征は大変かもしれませんが,それに見合う感動は得られると思います。

私は偶々帰国していて、3日のファーストを観ました。命を削って奏でていたのは最早遠い過去、今やトリオジャズの至高を目指す最高のトリオの一つと感じました。繊細ながら筋の通ったフレッドのピアノに呼応するシンバルとブラシを多用するエリックのドラミングには、前回以上に驚嘆しました。ベースの的確な音取りもこのトリオの成熟度を示していましたね。3日のファーストはほぼ満席状態。カザルスから約10年、この様な人気者になる日が来るとは感慨深いです。

カビゴンさん,ナイスなタイミングでのご帰国おめでとうございます(笑)。

私が行った2日のセカンドも指定のごく一部が空いているだけの9割以上の入りでした。カザルスや,前回のトリオやソロに比べても集客力の向上は顕著でした。まぁ,あれだけ素晴らしいアルバムを連発して入れば,当然って気もしますが,私もうれしかったです。

おっしゃる通り,トリオとしてのエクスプレッションはどんどん高いレベルに上がっていますし,現代屈指のトリオの一つと言っていいですね。いいものをきかせてもらいました。

色々と、、開演前にハプニングがあって。。
なんだか、意気消沈しそうだったのですが、始まって5秒で全てを忘れましたね!
ハーシュの素晴らしさは、、もちろんなのですが、ベースとドラムが素晴らしかった。特に、ドラムの繊細でいながら大胆なプレイに息をのみました。

次は、ソロですか。それも楽しみ。
でも、デュオも聴きたいな。

Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございます。

今回の演奏も素晴らしかったですが,PAが彼らの繊細な響きをそこなわないもので,サウンド的にも本当によかったと思います。John Hébert,Eric McPhersonも最良のパートナーとなってきましたね。

デュオはNYCでは日によって相手を変える連続公演をよくやっていますが,日本では相手をどうするかが問題でしょうね。ちなみに,Herschは帰国してすぐに,MezzrowでヴォーカルのKate McGarryとデュオをやります。いいですねぇ,NYC。

と言いつつ,来月出張ですけど(笑)。夜遊びする気満々(爆)。

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