いくらなんでもこれは...と思わせるMilesのブートレッグ・シリーズ
"Freedom Jazz Dance:The Bootleg Series Vol.5" Miles Davis Quintet(Columbia/Legacy)
Milesのブートレッグ・シリーズが出ると,せっせと買っている私だが,さすがにこれはダメだと思わされたのがこの新作である。
よく言えば,Milesの音楽の創造の瞬間を捉えたドキュメンタリーってことになるが,私にとっては,有名マスター・テイクのための山のような没テイクを延々と聞かされるようなものである。こういうドキュメンタリーは,"Kind of Blue"の録音風景を捉えたブートなら納得できるが,延々Milesのミスを聞かされるようなこの3枚組は,ディスク1を聞いただけでもうええわと思ってしまった。これまで出たブートレッグ・シリーズはそれなりに聞きごたえがあるものであっただけに,本作のはずれ感は半端ではない。
この感覚,Bill EvansのVanguardのボックス(あの停電も入ったやつね)に感じた違和感以上である。なんでも出せばいいってもんではないだろう。こういうのをファンの心理に付け込んだえげつない商法と言う。こんなものは買ってはいけないと強く言いたくなるが,ほかに出すものがいくらでもあるだろう。よって,評価もしたくないということで,無星。まじで消費者をバカにしている。
あ~あ,やめときゃよかった。
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