こういうのを穏やかな対話と言う:John StowellとBebo Ferraのデュオ・アルバム。
"Elle" John Stowell & Bebo Ferra(Jardis)
仕事でストレスフルな生活を送っていると,ストレスのかからない音楽を身体が求めてしまうのであるが,これなんか丁度いいと思える作品である。
と言っても大方の人にとっては,誰じゃそれは?と言われてしまいそうだが,Bebo FerraはPaolo FresuのDevil Quartetの一員として,ある程度知られているかもしれない。しかし,John Stowellはかなりマイナーな人と言ってもよいだろう。だが,彼のサイトによれば,結構な枚数のアルバムをリリースしていて,知らないのは私だけか?と言いたくなる(苦笑)。
私が初めて彼の名前に触れたのは,David Friesenの"Star Dance"あるいは"Waterfall Rainbows"だっただろうか。どちらかであることは間違いない。しかし,その後,彼の名前を聞かなくなって,久しぶりに彼の名前を見たのは,新橋のテナーの聖地,Bar D2でDave Liebman入りの"The Banff Session"を聞かせてもらった時のはずである。そう言えば,LiebmanとStowellには"Blue Rose"っていうデュオ作もあったなぁ...。それも初めて聞いたのは新橋でのことであった(どんだけ通ってるねん?)。
そうした二人がどうして出会ったのかはよくわからないが,ギター2本による穏やかな対話である。穏やかではあるが,結構ジャズ的なフレイヴァーもあって,これはなかなか楽しいアルバムである。スタンダードやRalph Townerの"Tramonto"に混じって,Bebo Ferraのオリジナルが5曲含まれていて,作曲面での貢献度も高いが,Ferraのオリジナルは概して美しい響きを生み出し,ギター・デュオってのはこういう感じもいいねぇと思わせる。一方,Townerの"Tramonto"は誰が弾いても,あぁ,Townerの曲だなぁと思わせるのも,それはそれで凄いことである。
派手派手しいところはない。テクニックをひけらかすこともない。純粋音楽的に楽しめてしまうアルバムだと思う。こういう趣味のいい音楽をBGMでかけてくれる店があれば,通っちゃうよねぇ。甘いのを承知で,星★★★★☆。本作は廃盤だと思うが,皆さんも見つけたら買いましょう(笑)。聞いてもらえばわかるが,まぁ,売れる音ではないよなぁ(爆)。
Recorded in 1998
Personnel: John Stowell(g), Bebo Ferra(g)
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