これは知らなかった。濃い~メンツのJoachim Kühn盤
"Universal Time" Joachim Kühn(Emarcy/Universal)
中古盤屋をうろついていて出会ったアルバムである。全然存在も知らなかったのは私の不勉強ゆえであるが,それにしても濃いメンツを集めたものである。フロントがMichel Portalとクリポタというのは濃厚である。しかし,どんなメンツでやっても,Joachim KühnはJoachim Kühnだということを痛感させられるサウンドと言ってよい。フリー風味なのだが,完全フリーではない。しかし,やっぱりJoachim Kühnの手数だと思わせる弾きっぷりには嬉しくなってしまうファンが多いのではないか。
冒頭から9曲目までがJoachim Kühnのオリジナル,そして,最後の2曲がOrnette Colemanの曲となっているが,なんとJoachim Kühnがアルト・サックスを2曲(#3,#10)で吹いている。そうだったのねぇ。#3はクリポタとのツイン,#10は3人でのプレイであるが,まぁそれはそれでってことで(笑)。
Joachim Kühnの音楽を聞いていると,コアなファンには怒られるかもしれないが,ややコンベンショナル化した後の山下洋輔の音楽との同質性を感じてしまう。ピアノの強力なタッチとか,音の粒立ちとか,結構似ているように感じてしまうのである。最近の洋輔の音楽はあまり聞いていないが,こんな感じなんではないかなぁと思っている。
このアルバムは結構曲ごとにトーンが異なっていて,なかなか面白いものではあるが,逆にそうした点が減点材料と考える人がいても不思議ではない。いずれにしても,なかなか楽しめる作品ではある。私にはMichel Portalのバスクラが特に魅力的に響くこともあり,半星オマケで星★★★★。
Recorded on May 31, June 1 and July 25,2001
Personnel: Joachim Kuhn(p, as), Michel Portal(as, b-cl), Chris Potter(ts), Scott Colley(b), Horacio "El Negro" Hernandez(ds)
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