実家から持って帰ってきたErnie Wattsの"Afoxé"
"Afoxé" Ernie Watts with Gilberto Gil(CTI)
お盆休み中に,実家での雑事をこなすために帰省した折に持ち帰ったアルバムである。これは多分私の在米中に購入したもののはずだが,どうにも印象が薄いところがあって,ずっと実家で眠っていたものである。アルバム単位でも何年も聞いたことがなかったので,なんで印象が薄いのかさえ記憶から飛んでいたわけだが,今回,本作を改めて聞いてみて,その理由がわかったような気がする。
Gilberto Gilとの共演を謳っているにも関わらず,ブラジル・フレイヴァーが希薄で,Gilberto Gilの魅力を活かしているとは思えないことが第一。そして,収められている曲にも明確なポリシーが感じられず,寄せ集め感が強いことが第二。こういう感触を与えられてしまっては,魅力的に感じることがないのも仕方がないと言わざるをえない。曲によっては悪くないと思わせる瞬間もあるので,全面的に否定ということではないのだが,これはやはりプロダクションの問題と言ってよいように思う。Creed Taylorらしからぬ出来なのだ。
復活CTIレーベルには,ブラジル路線では"Live from Bahia"というナイスなアルバムがあっただけに,ついついそっちと比較してしまうのだが,私にとっては遠く及ばない凡作ということになってしまう。私としては,ブラジルならばブラジルということで,もう少し徹底した制作をして欲しかったというのが実情である。
まぁ,これ以上保有していても,多分そうは聞かないだろうと思えてしまう作品。売るかな(笑)。星★☆。
Pesonnel: Ernie Watts(ts, ss, as), Gilberto Gil(vo, g, perc), Robert Sadin(key), Dunn Pearson(key), Kenny Kirkland(el-p), Marlon Grave(g), Marcus Miller(b), Mark Egan(b), Victor Bailey(b), Eddie Gomez(b), Jack DeJohnette(ds, key-kalimba), Frank Colon(perc), Cafe(perc), Manolo Badrena(perc), Tony Mola(perc), Mino Cinelu(perc), Ray Bardani(synth-perc), Sharon Bryant(vo)
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