約4年半ぶり。Michael Kiwanukaの新作がリリースされた。
"Love & Hate" Michael Kiwanuka(Polydor)
2012年にMichael Kiwanukaのアルバム"Home Again"に出会った時は,凄いシンガーがまたまた現れたと思わされたものである(記事はこちら)。それから待たされること,約4年半。結構長いインターバルであるが,ようやく彼の新作がリリースされた。
"Love & Hate"と名付けられた本作は,長いイントロに驚く"Cold Little Heart"から始まるが,ここではMichael Kiwanukaのギタリストとしての手腕がフィーチャーされていることが明らかである。それはそれで見事なものだが,やはり彼にはシンガーとして期待している私としては,ちょっとイメージが異なると感じてしまう。しかし,彼が歌い出せば,やはりこの人の才能は素晴らしいと思わされるのはさすがだと思う。
そして,本作の特徴の一つとして挙げられるのがストリングスの多用であるが,ソウルフルなMichael Kiwanukaの歌を盛り上げる手段としては認められるのだが,私としては本作は悪くないとしても,前作ほどの興奮は得られなかったというのが実際のところである。プロダクションは比較的レトロなサウンドは目指したものと思われるのだが,私にはMichael Kiwanukaにはもう少しシンプルな音作りの方がフィットするように感じられるからである。要は作り込み過ぎかなぁってところだ。
前作も暫く聞いていないので断言はしづらいが,曲としても前作の方が出来がよかったように思えるところも,今一つ私の評価が上がらない理由である。だが,凡百のアルバムに比べれば相応のクォリティは確保していると思えるので,単体で聞けばかなり満足できるアルバムと言えるが,私のこの人への期待値が高過ぎるのかもしれない。それぐらい前作はよかったと思えた新作であった。星★★★☆。
Personnel: Michael Kiwanuka(vo, g, b, p), Brian "Danger Mouth" Burton(p, org, synth, b), Inflo(b, ds, p, vo), Paul Butler(cello, key, g, tp, vo), Paul Boldeau(vo), Ladonna Harley-Peters(vo), Phoebe Edwards(vo), Jay Abdul(vo), Graham Godfrey(ds, perc, vo), Pete Randall(b, vo), Miles James(g), James Bateman(sax), Gary Plumley(sax, fl), and strings
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