今日の久々盤はTommy Flanagan
"Sunset and the Mockingbird" Tommy Flanagan (Blue Note)
保有していても,ほとんど聞いてないというアルバムは結構あるが,これなんかもそういう一枚。決して悪い出来ではないのだが,この典型的かつコンベンショナルなピアノ・トリオの演奏に,日頃手が伸びないというのも事実である。これは私の音楽的な嗜好が変わってきたということもあるし,より刺激的な音楽を求めているからかもしれない。確かにTommy Flanaganのピアノは刺激には乏しいかもしれないが,この人は変な仕事はしないので,安心して聞けてしまう。
本作は,そのTommy Flanaganの67歳の誕生日に吹き込まれた,リラックスした中にも,スイング感溢れる演奏である。バックを務めるのは,当時のレギュラーだったはずのPeter WashingtonとLewis Nashで,バンマスとの呼吸もぴったりだから,実際楽しめる演奏である。同じピアノ・トリオでもKeith JarrettやBrad Mehldauの音とは全く違うが,それがジャズう・ピアノと同じくくりで捉えられるところに,ジャズという音楽の懐の広さ,あるいは奥深さが感じられる。だから,こういうアルバムは肩ひじはらずに楽しめばいいという気がする。
Thad Jonesが2曲,Dizzy Gillespieが2曲はわかるが,Tom McIntoshとうい人の曲がメドレー込みで3曲というのが面白い。よくよく調べるとこの人もDizzy人脈みたいである。それに加えてDuke Ellingtonが1曲,Shirley Templeが歌った"Good Night My Love"で締めるというのは,かなり変わった選曲と言えるかもしれない。しかし通しで聞いてみると,安定したTommy Flanaganのアルバムになっている。この人が名盤請負人みたいに言われているのはこういうところからなんだろうなぁと改めて思わされた。星★★★★。
甚だ余談だが,以前は私は結構米国に出張する機会があって,San Franciscoに行くと,今は閉店してしまったが,North BeachにあるMoose'sというレストランに何度か行く機会があった。いつだったかは正確に覚えていない(90年代後半か,2000年ぐらい?)のだが,私がそのMoose'sに行ったら,なんとピアノを弾いているのがTommy Flanaganだったことがある。Flanaganのような人が,こんなカクテル・ピアノみたいな仕事をしているのか!と驚いたことがあるが,その前々日ぐらいまで東京でライブをやっていたはずなのだから,ミュージシャンはタフだと思ったが,さすがにFlanaganもお疲れモードだったのは,まぁ当たり前だよなぁ(当然のことながら,時差ボケだと言っていた)。その時,連れのアメリカ人(クラシック好き)に,あれはTommy Flanaganっていう有名なピアニストなんだぜいと言ったら,全く信じてくれなくて,Flanagan本人に,"Are you Tommy Flanagan?"と聞いていたのには笑ってしまった。まぁ,今となってはいい思い出だが。
Recorded Live at Village Vanguard on March 16,1997
Personnel: Tommy Flanagan(p), Peter Washington(b), Lewis Nash(ds)
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