Jackie McLeanの"Dynasty":一体聞いたのは何年ぶりだろうか?
"Dynasty" Jackie McLean Quintet Featuring Rene McLean (Triloka)
このアルバムはJackie McLeanが息子のRene McLeanを加えた編成でリリースしたアルバム。それまで教鞭を取ることを中心にしていたJackie McLeanの演奏活動への本格的な復帰作と言われたはずである。私がこれを購入したのは,米国在住中のことと記憶する。そして,多分Village Vanguardだったと思うのだが,このバンドのライブも見たはずである。
この作品のリリース当時でもJackie McLeanは還暦を過ぎるか過ぎないかって頃だったというのは,今にしてみれば凄いことである。デビューが早かっただけに,もっと歳を食っていると思っても仕方ないが,ここでの演奏を聞けば明らかなとおり,現役感バリバリである。
Jackie McLeanと言えば,ちょっとフラットした感じ(ある意味調子っぱずれ)の音が特徴的だったと思うが,ここではそういう印象がない。教鞭を取ることで,演奏スタイルが変わったとは思えないが,ここでの演奏や,ライブでの演奏を聞いて,私の知っているMcLeanと感じが違うと思ったのも事実である。しかし,アルバムとしては,非常にアグレッシブかつスリリングな出来に仕上がっていて,嬉しくなってしまう。スタジオ・ライブによる好影響もあるだろうが,純粋にジャズ・ファンとして燃える演奏なのである。こんなアルバムを随分長いこと寝かせていた私もアホだなぁと,今回聞いて改めて思った次第。
後半にはRene McLeanのオリジナル,そしてピアノのHotep Idris Galetaのオリジナルを揃えて,彼らにも花を持たせているが,どのような曲をやっても,これは相当に熱いアルバムだと言ってよい。ある意味,McCoy Tyner的な暑苦しさだが,こういうジャズもたまにはいいのだ。こうした作品が廃盤状態というのはつくづく惜しいが,今一度,本作には注目してもらってもいいのではないかと思う。星★★★★☆。
Recorded on November 5, 1988
Personnel: Jackie McLean(as), Rene McLean(ts, ss,fl),Hotep Idris Galeta(p),Nat Reeves(b), Carl Allen(ds)
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