派手なのか地味なのかわからないオールスター・バンド(笑):The Power Quintet
"High Art" The Power Quintet(High Note)
私はなんだかんだと言って,Jeremy Peltを結構贔屓にしている方だが,一時,訳のわからない方向に寄り道しながら,昨今はストレート・アヘッドな世界に回帰しつつあり,今年リリースした""#JIVECULTURE"も(ジャケはさておき)なかなかの好アルバムであった。そんなPeltがプロデューサーとなって録音したオールスター・バンドのアルバムがリリースされた。このメンツを見れば,好き者は間違いなく反応するはずである。Pelt,Steve Nelson,ダニグリ,Peter Washington,そしてビルスチュなのだ。このメンツだけを見ていると,派手なのか地味なのかわからないところはあるが,実力者の集まりであることは間違いない。
演奏は,オールスター・バンドだからと言って,気負ったところがなく,ある意味淡々とプレイしている。メンバーのオリジナルを中心に,スタンダード1曲,Monkチューン1曲というのはまぁこの手のアルバムであれば,妥当な線であろう。正直言って,バンド名とは裏腹に,この人たちはパワーで押し切るようなタイプの人たちではない。ジャズのスリル的な快楽という観点では,もう少しぐわ~っとくるような曲があってもよかったようには思うが,プレイヤーとしてのこの人たちの特性,実力は十分に捉えられていると思う。とにかく破綻がないのである。まぁ,ダニグリのノーブルとも言える音楽を考えれば,それもうなずけない話ではない。
そうした破綻のなさを実力とするか,無難とするかについては議論があるところであるが,ツアーを行った後でのレコーディングのようなので,実力に加えて,このメンツにおけるコンビネーションは確立していたと感じられる演奏である。特に中盤で演じられるPelt作"Sage"とダニグリ作”Mr. Wiggleworm"当たりの流れが私には魅力的に響いた。全編を通して聞いてみると,やはりかなり落ち着いた演奏ということになるが,これはこれでかなりのクォリティなので,一聴の価値はあると思える。いずれにしても,これは夜向きの演奏だなぁ。ってことで,ちょいと甘めの星★★★★。
しかし,この購買意欲をそそらないジャケは何とかならなかったのかねぇ(笑)。
Recorded on December 8, 2015
Personnel: Jeremy Pelt(tp), Steve Nelson(vib), Danny Grissett(p), Peter Washington(b), Bill Stewart(ds)
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