Miroslav Vitousが改めてWeather Reportに取り組んだ新作はかなりよい。
"Music of Weather Report" Miroslav Vitous(ECM)
Miroslav Vitousには同じECMレーベルに"Remebering Weather Report"という作品があったが,私は同作については結構否定的な記事を書いている(記事はこちら)。詳しくはそちらの記事をご覧頂きたいが,精神だけを持ち込むのだけでなく,演奏にも相応の反映が合ってもよいと思えたのである。しかし,今回の作品は,”Remembering Weather Report"どころか,"Music of Weather Report"というストレートなタイトルであるから,アプローチにも違いが出ているように思える。
今回の作品は,前作よりはるかにカラフルで,それこそWeather Report的なところを感じさせる要因としてはAydin Esenのキーボードが追加されていることによるところが大きいと思う。そして,2サックス,2ドラムスという変わった編成も,Weather Reportの音の厚みを再構成するには必要だったと解釈すればいいように思える。いずれにしても,最初期のWeather Report的な音が再提示されているような感覚が強い。それはVitousには全く関係のない時代のレパートリーである"Birdland"を再構築した"Birdland Variations"でも同様である。いずれにしても,こういう曲を選んでくるところに,頑固な姿勢を示していたVitousもここではちょっとは丸くなったのかもしれないなぁと思えた。でも録音時期としては"Remembering Weather Report"から大して経過していない頃の録音だが...(笑)。
そういう意味も含めて,気負いを感じさせた"Remembering Weather Report"よりもはるかによくできたアルバムと評価してもいいし,正直これはいいと思えた。星★★★★☆。
本作はMiroslav Vitousの持ち込み音源で,Manfred Eicherの意図は反映されていないように思えるが,それだけ自由度を与えられているということは,VituousはEicherからの信頼が厚いってことになるのだと思う。
Recorded in March and May Robrin 2010, February and March in 2011
Personnel: Miroslav Vitous(b, key), Gary Campbell(ss, ts), Roberto Bonisolo(ss, ts), Aydin Esen(key), Gerald Cleaver(ds), Nasheet Waits(ds)
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音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
先日TBとコメントをこころみましたができませんでした。
今回はどうでしょう。
ヴィトウスいい意味で吹っ切れたような素直な音楽ですね。
投稿: monaka | 2016年6月29日 (水) 10時37分
monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。
前回はココログのトラブル時だったかもしれません。ご迷惑をおかけしました。
今回のVitousはおっしゃる通り,吹っ切れましたね。Vitous版「恩讐の彼方に」って気がしました。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年6月30日 (木) 22時39分
内容としてはけっこういいとは思うんですが、自分のリアルタイムがジャコとヴィクター・ベイリーの時代だったため、今ヴィトウスがWRの名前を借りて、アルバムを作るということに、少し抵抗がありました。ただ、確かに彼のWRの世界になっていると思います。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2016年7月 6日 (水) 08時37分
910さん,こんばんは。TBありがとうございます。
まぁ,VitousにはVitousの思いがあるようで,Zawinulとの間にもいろいろ確執があったんだと思います。"Live and Unrelaeased"には1曲もVitous音源が入っていないことに私は違和感がありましたし。
ただ,記事にも書きましたが,VitousもZawinulが亡くなって,多少吹っ切れたように思えました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年7月 7日 (木) 20時39分