Fred Herschの3枚目のトリオ作をSunnysideからゲット。
"Heartsongs" Fred Hersch(Sunnyside)
私はいつも書いている通り,Fred Herschのファンである。私の中ではピアニストとしてはBrad Mehldauが一番なのは間違いないが,ライブに通って,サインを集めているということではFred HerschかMike SternかWayne Krantzかって感じである。Herschとマイキー,Krantzでは全然違うやんけ!と言われればその通りであるが,いいのである。みんな好きなんだから(きっぱり)。
そうは言いながら,Fred Herschのアルバムを全部揃えようとは思っていないのだからいい加減なものだが,先日,Apple Musicで聞いて,これは欲しいと思ってしまったのが本作である。ショップやEコマース・サイトでは現物はなかなか見つからないのだが,灯台下暗しという感で,Sunnysideレーベルのサイトでめでたくゲットである。CDより送料の方が高いのはご愛嬌だが,手に入れられたのだから喜ぶしかない。
ジャケに写るHerschもまだまだ若いが,ここではちょっと個性が違うように感じられるMichael Formanekとの相性が気になるところである。でも聞いてみれば,いつも通りのHerschなのだが,Formanekのオリジナル"Beam Me Up"はやはり異色に響くって感じだろうか。最後のOrnette Colemanの"The Sphinx"もHerschにとっては変わった選曲ではあるが...。
だが,この頃から,リリシズムは十分に表出され,ピアニストとしての実力は十分に発揮されているので,聞いていての安心感は昔からのものだったことを改めて感じる。もちろん,昨今のFred Herschから感じ取れる研ぎ澄まされた美的な感覚とは若干異なるものだとしても,Fred Herschというピアニストの個性は確立されていたと言ってもよいように思う。そして,いい曲を書いているよねえ。本当にこの人は私の琴線に触れる演奏をする人である。ということで,ついついHerschには点数も甘くなり,星★★★★☆。
そんなFred Herschであるが,7月には現行トリオによるVillage Vanguardでのライブ盤がリリース予定である。今回の演奏も,トリオは"Zone"に入ったらしいから,聞いたらまたはまってしまうこと必定だろうなぁ。
Recorded on December 4 & 5, 1989
Personnel: Fred Hersch(p), Mike Formanek(b), Jeff Hirshfield(ds)
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