中古盤で安値でゲットできる代表のようになってしまったGary Thomas。
"The Kold Kage" Gary Thomas(JMT/Bamboo)
一時期は飛ぶ鳥を落とすような勢いであったにもかかわらず,突然シーンから姿を消してしまったミュージシャンの代表みたいなのがGary Thomasである。現在はJohns Hopkins大学で教鞭を取っているようだが,表立った活動からは身を引いているように思える。
Gary Thomasが最も活発に活動していたのは80年代後半から90年代前半ということになるだろうが,John McLaughlinの"The Heart of Things"辺りを最後に前線から退いてしまったようだ。
そんなGary Thomasのアルバム群は,今や中古盤屋で安値でゲットできる代表みたいになってしまっていて,だいたい300~500円ぐらいで入手できるのではないか。特に本作や"Overkill"等は過剰在庫なのか,ほぼ確実にそういう値段が付いている。
Gary Thomasはアルバムごとに違うパターンを打ち出していて,そうした取り組みは悪いことではないし,評価してもよい。本作の特徴はラップの導入である。本作が出た91年当時であれば,随分と尖がった印象を与えたかもしれないこういう音楽も,今となっては全く普通に聞こえる。そういう意味ではGary Thomasの音楽は未来志向だったとも言えるのだが,この変拍子バキバキの音楽は正直言ってかなり疲れる。不思議なビートが連続するので,心地よく乗れないというのがきつい。
本作では全編でDennis Chambersがドラムスを叩いていて,変拍子を炸裂させる中,バスドラのキックにはGo Go的なものも感じさせるところは面白い。しかし,上述のように訳の分からない変拍子を続けられると,私のようなリスナーの限界は越えてしまうという感じなで,いかにも音楽として「性急」な感覚を与えてしまうのが難点と言える。
ということで,進取の精神は認められるが,音楽的には評価が難しく,星★★★が精一杯だろうなぁ。
Recorded on March 26-31, May 28-30, June 1-2, 1991
Personnel: Gary Thomas(ts, fl, synth, rap), Joe Wesson(rap), Kevin Eubanks(g), Paul Bollenback(g), Mulgrew Miller(p), Tim Murphy(p, synth), Anthony Perkins(synth), Michael Caine(p, synth), Anthony Cox(b), Dennis Chambers(ds), Steve Moss(perc)
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JMTレーベル(Bamboo含む)81枚を全部ホームページからブログに移し替え中で、やっとここまで追いつきました。確かに当時にM-BASE連中のアルバム、最近は安価でゴロゴロしていますね。ただ、今からメンバーを見ると、かなりすごいことになっていたんだなあ、と思います。まあそれでもJMTはつぶしてしまって、そこからステファン・ウィンターはWinter&Winterで再建したいきさつもあるのですが。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2016年6月12日 (日) 05時19分
910さん,おはようございます。TBありがとうございます。
確かにメンツ的に見ると,かなり強力なんですが,音楽的に見ると,アルバム1枚聞き通すのが結構厳しいところもあるのが,この頃のGary Thomasではないかと思います。嫌いじゃないんですけど,どっと疲れるって感じでしょうか。
ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年6月12日 (日) 10時42分