亡くなる年のBob Bergの快演を収めたEddie HendersonによるMilesトリビュート盤。
"So What" Eddie Henderson(Eighty Eight)
Bob Bergが自動車事故で亡くなったのは2002年12月のことである。51歳という若過ぎる死であったが,そのBob Bergの晩年のハイブラウな演奏ぶりが聞けるだけで価値があると思わせるのが本作である。
毎度お馴染み新橋のテナーの聖地,Bar D2で聞かせて頂いて,このアルバムは結構いいねぇと思って,いつか買おうかなぁなんて思っていたのだが,今回,そこそこの価格で欧州盤をゲットしたもの。企画そのものはMilesへのトリビュート,それもモーダルなアプローチを中心としているので,60年代Milesクインテットへのオマージュのような,企画としては安易と言えば安易なものである。だが,演奏のクォリティが結構高くて,楽しめてしまうのである。私はBob Bergが聞きたくて買ったようなものだが,実はリーダーのEddie Hendersonもいい仕事をしている。
Eddie Hendersonの日本制作アルバムってのは,企画がどうもねぇってのがあるのだが,そこで聞かせるストレート・アヘッドなトランペットだけを聞いていると,どんな企画でもちゃんと聞かせるのがこの人の矜持だということが分かるような気がする。本作もその例外ではないと思える。ちゃんと手を抜くことなく,Milesのコピーに堕することもなく,ちゃんとやっているのは立派である。甘さを排したビター・スイートな魅力とでも言ってよいだろうが,ラッパがうまいよねと改めて感じさせる出来である。
更にこのアルバムを魅力的に響かせるのがDavid Kikoskiのピアのである。この人のピアノはコンベンショナルでありながら,やわなところがないのがこのアルバムの雰囲気にぴったりである。ここでのKikoskiの貢献度は結構高いと思っている。
それでもってBob Bergである。こういう演奏を聞いていると,ハードボイルドな感覚は残しながらも,成熟に向かう感覚を聞かせていただけに,録音から約9か月後の早逝は惜しいと言わざるをえない。ここでの演奏もアコースティックなサウンドに乗って,Bob Bergらしいフレージングを聞かせていて,私のBob Berg好きは間違いないと思ってしまうような吹きっぷりなのである。惜しい。やっぱり惜し過ぎた。
ということで,企画は安直なれども,演奏はいいということで,星★★★★。
Recorded on March 13 & 14, 2002
Personnel: Eddie Henderson(tp, fl-h), Bob Berg(ts), David Kikoski(p), Ed Howard(b), Billy Hart(ds), Victor Lewis(ds)
« 「スポットライト 世紀のスクープ」:こういうのをいい映画って言う。 | トップページ | GW3本目の映画は切なくなるような「ルーム」 »
「ジャズ(2016年の記事)」カテゴリの記事
- 2016年の回顧:ジャズ編(2016.12.30)
- ジャズ界の若年寄,Scott HamiltonのFamous Door作。懐かしいねぇ。(2016.12.23)
- 2016年の回顧:ライブ編(2016.12.19)
- 中年音楽狂のNYC夜遊び日記(番外編):クリポタとの遭遇(2016.12.14)
- 中年音楽狂のNYC夜遊び日記(3):最後の夜はWayne Krantz@55 Bar。(2016.12.13)
« 「スポットライト 世紀のスクープ」:こういうのをいい映画って言う。 | トップページ | GW3本目の映画は切なくなるような「ルーム」 »

































































コメント