Dave Liebmanが"Sketches of Spain"を再構築したライブ盤
"Sketches of Aranjuez" Dave Liebman & Saudades Jazz Orchestra (Pao)
Miles DavisがGil Evansと吹き込んだ"Sketches of Spain"は誰もが認める超名盤だということは間違いのない事実であるが,その一方でしょっちゅうプレイバックしたくなるようなものでもないというのも正直なところである。格調も高いが,敷居も高いって感じだろうか。だから私もごくまれにしかその演奏を聞くことはない。
だが,Dave Liebmanがオーストリアのリンツで吹き込んだライブ盤は,オリジナルに対するリスペクトは示しつつ,コンテンポラリーな感覚も同居させていて非常に面白い。皆さんにも知ってもらうために,リリースからは結構時間が経過しているが,新譜扱いとさせて頂く。
このCDを紹介してもらったのは,毎度お馴染み新橋のテナーの聖地,Bar D2においてであったが,マスターも私の嗜好をご理解のようで,アルバムの後半からのプレイバックをされたわけだが,その術中に見事にはまってしまった私で,その場でオンライン発注してしまったではないか。いつものことながら,煽られているなぁ(笑)。
それはさておきである。Dave Liebmanは"Sketches of Spain"については既に,Manhattan School of Music Jazz Orchestraと再演には挑んでいるので,改めての演奏ということになるが,今回はオーストリアのミュージシャンを中心とするらしいビッグバンドが相手である。だが,ライナーによれば,Liebmanはこれまで10回以上"Sketches of Spain"の再演に挑んでいるらしいから,よほど好きなのだろう(本人も"Favorite"と言っている)。
そして,私はこの演奏を聞いていて,Liebmanのソロがこのアルバムの聞きものであることは当然ながら,結構ギターの音が効いているのではないかと思っていた。そこから生まれるオリジナルとの差異が面白く感じられたのである。
そもそも"Sketches of Spain"をライブで再演するっていうのはかなり難しいことだとは思うのだが,ソロイストとしてのLiebmanも,バックを務めるSaudades Jazz Orchestraも立派と言わなければなるまい。ということで,このチャレンジングなプロジェクトに対しては敬意も込める必要がある。ということで,星★★★★☆。
Recorded Live at Bruckenhaus, Linz on April 12, 2011
Personnel: Dae Liebman(ts, ss, wooden-fl), Jean Charles Richard(cond), Saudades Jazz Orchestra: Peter Massin(fl), Jurgen Haider(fl), Klemens Pliem(fl), Karin Grami(oboe), Wolfgang Heiler(bassoon), Herman Girlinger(horn), Gottlieb Resch(horn), Akiko Nishimara(horn), Klaus Ganglmayr(tp), Barney Birlinger(tp), Mario Rom(tp), Sebastian Hoglauer(tp), Alois Eberl(tb), Herman Mayr(b-tb), Ali Angerer(tuba), Heidi Rich(harp), Guido Jeszenszky(g), Wolfram Derschmidt(b), Wolfgang Reisinger(ds), Christoph Schacherl(perc), Ewald Zach(perc)
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