何とも素晴らしかったBilly Childs@Cotton Club。Laura Nyroの素晴らしさも再認識した私。

Billy Childsの"Map to the Treasure: Reimagining Laura Nyro"は,私が2014年のベスト作の1枚に選んだ傑作(アルバムに関する記事はこちら)だが,それをライブで再現するという試みは既に行われていたものである。実は今年の1月にNYCに出張した際に,Jazz Standardに出演中の彼らを観に行こうと思えば行けたのだが,時間的にちょっと厳しいところがあり,泣く泣く断念したのであった。今回はそのリベンジということになるが,NYCのライブではストリングス付きの豪華仕様だったのに対し,こちらはストリングス抜きの演奏だったのはちょっと残念である。しかし,演奏と歌唱は非常に優れたものだったと評価できる,質の高いライブであった。
今回,Billy Childsが連れてきたのはBecca StevensとAlicia Olatujaという2人の女性ヴォーカリストであったが,既に名の知れているBecca Stevensがいいのは予想できていたが,私がむしろ驚いたのはAlicia Olatujaの方である。世の中にはこんなに歌のうまい人がまだいるのか!というのが正直な感想であった。この人,とにかくうまい。ファルセットだろうが,地声だろうが,ほとんど乱れるところがなく,これは発見だよなぁと思っていた私である。彼女のアルバムはダウンロード・オンリーのようなので,買いたくても買えないというのが終演後のサイン会場での私の思いだったのだが,とにかくこの人は期待できる。よくよく見れば,私が結構評価しているSomiのアルバムにも参加しているではないか。それを聞き直すのも重要だが,まずはApple Musicで聞いてみることにしよう。そう思わせるほど素晴らしい歌手だったのである。
歌手陣のうまさもあったが,今回のライブを見ていて,バンマスとしてのBilly Childsの才覚は認めないといかんとも思っていた私である。もちろん,Laura Nyroの曲をやるという企画段階で成功はある程度約束されていたようなものだが,今回,Laura Nyroの曲とはこれほど魅力的でありながら,非常に個性に溢れたものであったのかと思わせてくれただけでも価値があるライブだった。
今回演奏したのは私の記憶が確かであれば,多分次の通りである
- The Confession(vo: Becca)
- Save the Country(vo: Becca)
- Map to the Treasure(vo: Alicia)
- Upstairs by a Chinese Lamp(vo: Alicia)
- Stoned Soul Picnic(vo: Alicia & Becca)
- And When I Die(Encore)(vo: Becca)
2人のヴォーカリストの各々聞かせどころを分かった歌いっぷりに感心した私だが,ノリという点ではやっぱり"Stoned Soul Picnic"だよねぇ。リードを取るAliciaに,ハモるBeccaのコンビネーションもよかった。彼女たちをバックで支えるバンドも好演。ちょいとドラムスのDonald Barrettが叩き過ぎかなぁって気もしたが,"Stoned Soul Picnic"あたりでは丁度良く聞こえるから不思議なものである。Billy ChildsはHerbie Hancockのようなフレージングを連発して盛り上げていたのも楽しかった。ということで,大いに楽しんだ私だが,今回はCotton Clubがクーポンを出しまくった効果もあり,ほぼフルハウスで盛り上がったのはよかったと思う。そうは言っても,私の隣に座っていたオーディエンスは,彼らがLaura Nyroの曲をやっているということさえ認識していなかったようだが...(苦笑)。
ちなみに今日の戦利品は3枚あるのだが,取り敢えず"Map to the Treasure"1枚だけアップしておこう。
Live at Cotton Club on March 24, 2016 2ndセット
Personnel: Billy Childs(p), Becca Stevens(vo), Alicia Olatuja(vo), Peter Sprague(g), Ben Shepherd(b), Donald Barrett (ds)
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