サックス・クァルテットによるPat Metheny集というユニークかつ面白い取り組み
"Have You Heard?:Plays the Music of Pat Metheny" Carrefour Saxophone Quartet
新潟ジャズ界のパトロン(笑),スズニカ伯爵夫人ことSuzuckさんが強烈にプッシュするCarrefour Saxophone QuartetによるPat Metheny集である。このジャケを見た時には,思わず「おぉっ!」となってしまったが,まぁ私にはこのショッキング・ピンクは似合わないなぁと思いつつ,なかなかにおしゃれである。しかも大判サイズ(昔のシングル盤サイズだな)だし。
それはさておきである。この人たちは広島在住らしいのだが,このアルバムを引っ下げて現在ツアーをやっていたのはスズニカ伯爵夫人からの情報でもわかっていた。だが,ライブだとどんな感じなのかなぁと実はこのアルバムを聞いていて思っていた。アルバムではヴォーカル,ピアノ,ドラムスをアドオンして,相応の調整が図れるが,ライブの場ではそうはいかないはずだからである。むしろライブでの演奏の方がはるかにチャレンジングなのではないかと想像してしまった。いずれにしても,これは非常に面白い取り組みである。
そもそもPat Methenyの書く曲が魅力的だとは言え,サックス4本でそれを演奏してしまうという発想は凄いことである。だが,アルバムを聞いていても,全然違和感がないっていうのは大したものだと思った。サックス4本と言うと,私はWorld Saxophone Quartetってことになってしまうが,サックス4本でも全く違った(と言うかジャケも含めてWSQとは対極だな...)個性が生まれるというのが実に面白い。ジャズは奥深いよねぇ(笑)。
そして,35分強という収録時間があっという間に過ぎるように思えるのも,長時間収録のCDに辟易とするLP世代の私みたいなのには丁度いい感じである。選曲もいけてるし。"For a Thousand Years"のような曲を引っ張り出してくるところに,この人たちのこだわりを感じるし,ドラムスを加えた"The Epic"で賑々しく終わらせるのもインパクトがあってよかった。スズニカ伯爵夫人のご紹介なかりせば聞いていなかった音楽だと思うが,私としては予想以上に楽しめたアルバムであった。そして,Pat Methenyによるオリジナルを改めて聞きたくなるという副次的効果もある作品である。
いつもお世話になりっぱなしであるが,改めてスズニカ伯爵夫人に感謝することとしよう。
Personnel: 宮田 麻美(ss, ts),久保田麻里(as),藤井政美(ts, ss),前田悠貴(bs, as),因幡由紀(vo),Juan Ortis (p), 山口圭一(ds)
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プロだったらそんなに難しくないのかもしれませんが、変拍子の曲をサックスクァルテットでって、けっこう高度なのかもしれません。選曲も好みだったので、楽しんで聴くことができました。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2016年2月21日 (日) 13時11分
910さん,こんにちは。TBありがとうございます。
変拍子もそうですが,アンサンブルでMethenyの曲をどう聞かせるかって部分もありますよね。おっしゃる通り,私にとっても楽しく聞けるアルバムだったと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年2月21日 (日) 14時09分
閣下、私もライブはどうなるんだろうか?って思っていたのですが、、
バリトンが機動力的な感じなので違和感はなかったとおもいます。
むしろ、目の前で4本のサックスが踊る姿に感動しちゃって、いつものように舞い上がりました。。
メセニーの曲もいいのですが、ミニマルな曲が普段聴いてる音楽の世界に通じるものがありまして、、やっぱ、私ってジャズが好きなんだなぁ、、と、改めて感じた次第です。
投稿: Suzuck | 2016年2月22日 (月) 09時00分
Suzuckさん,こんばんは。返事が遅くなりました。TBありがとうございます。
Pat MethenyはSteve Reichの影響下にありますので,ミニマル・ミュージックもMethenyの音楽に近い部分があるように思えます。サックス4本でミニマルをやったらきっと気持ちいいと思いますねぇ。
いずれにしても,今回はありがとうございました。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年2月23日 (火) 18時49分