やっぱりこういうJeremy Peltがいいよねと思わせる彼の新作。
"#JIVECULTURE" Jeremy Pelt (High Note)
前作ではワンホーンに2ドラムスという変わった編成ながら,ストレート・アヘッドな演奏を聞かせるとともに,私にSimona Premazziという女流ピアニストの存在に気づかせてくれたJeremy Peltの新作である。今回はドラムスはBilly Drummondだけとなったが,またもワンホーンである。そしてライナーによれば,今回の肝はRon Carterとの共演ということであるが,正直Ron Carter嫌いの私は,新作情報をゲットして,えぇ~,Ron Carter?と思っていたのだが,まぁJeremy Peltの方が聞きたいという欲が勝って,今回も購入である。
Jeremy Peltは以前,JD AllenやDanny Grissettを擁するナイスなクインテットを率いていたが,その後,エレクトリックに傾いたりしてどうもフォーカスがぶれた活動期もあった。エレクトリックが悪いと言っているのではなく,アルバムとしての半端な感じがどうにも納得いかなかったのである。しかし,私にとってはこの人はMilesのそっくりさんと言われようが何しようが,ストレートなジャズの方が似合っていると思えるのである。今回はDanny Grissettも復帰して,冒頭からおぉっ,新主流派的響き!と思わせて,かなり嬉しくなる出来である。懸念されたRon Carterの音も,いつものようなひどい増幅感なしで録られていて安心した。
今回もPeltのワンホーンなので,彼の聞かせどころは多いが,それに加えてDanny GrissettがまるでHerbie Hancockのように聞こえてしまう瞬間があるのは,Jeremy PeltにMiles的な要素が多いからと言えるかもしれないが,決して全編Milesのクローンってわけではないので念のため。でもミュートを使うとやっぱりそれっぽいが(笑)。いずれにしても,Billy Drummondの煽りも結構効いていて,これはなかなか楽しめるストレート・アヘッド・ジャズ・アルバムである。リーダーのオリジナルにCarterのオリジナル,Cole Porter,Dave Grusinを交える選曲もいいと思う。Dave GrusinがBarbra Streisandのために書いた(?)"A Love Like Ours"なんていいバラッドになっているしねぇ。
ジャケを見ていると,何じゃこれはと思いたくもなるが,本人としてはにんまりしたくなる出来だったと考えるようにしよう。ってことで,私がラッパのワンホーン好きってこともあり,ちょっと甘いかもしれないが星★★★★☆としてしまおう。
Recorded on September 9, 2015
Personnel: Jeremy Pelt(tp), Danny Grissett(p, rhodes), Ron Carter(b), Billy Drummond(ds)
« 祝祭的/儀式的な響きさえ感じさせるTinariwenのライブ。これははまる。 | トップページ | Tord Gustavsenの新譜はSolveig Slettahjellとのホリデイ・アルバムを想起させた。 »
「新譜」カテゴリの記事
- Chick Coreaの旭川でのソロ・ライブ音源が公開された。(2026.02.06)
- Joel Rossの新作はその名も"Gospel Music"。だが,典型的ゴスペルではない。(2026.02.07)
- Julian Lageの新作はまたもJoe Henryプロデュース。(2026.01.25)
- 今年最初の新譜はEnrico Pieranunzi。あの"Live in Paris"と同じメンツで悪いはずなし。(2026.01.05)
- 2025年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2025.12.28)
「ジャズ(2016年の記事)」カテゴリの記事
- 2016年の回顧:ジャズ編(2016.12.30)
- ジャズ界の若年寄,Scott HamiltonのFamous Door作。懐かしいねぇ。(2016.12.23)
- 2016年の回顧:ライブ編(2016.12.19)
- 中年音楽狂のNYC夜遊び日記(番外編):クリポタとの遭遇(2016.12.14)
- 中年音楽狂のNYC夜遊び日記(3):最後の夜はWayne Krantz@55 Bar。(2016.12.13)
« 祝祭的/儀式的な響きさえ感じさせるTinariwenのライブ。これははまる。 | トップページ | Tord Gustavsenの新譜はSolveig Slettahjellとのホリデイ・アルバムを想起させた。 »

































































コメント