なぜかこれまで記事のアップがないMike Morenoの新作はナイスな出来。
"Lotus" Mike Moreno(World Culture Music)
私はMike Morenoのリーダー作や彼が参加したアルバムを聞いていないわけではないのだが,なぜかこのブログには彼に関する記事が全くアップされていないことに気づいて,ちょっと愕然としてしまった。Aaron ParksやKendrick Scottのアルバムなんて,記事をアップしていて当たり前なのに,全然彼の名前がこのブログではヒットしないのである。これは正直意外であった。だが,多くの人が認める通り,現在のジャズ・シーンにおいて,注目すべきギタリストであることには全く異論はないにもかかわらずであるからこそ,我ながら意外なのだ。
そんな彼がおそらくは自主制作というかたちでリリースした(であろう)新作である。一聴して,この感じ,どこかで聞いたことがあると思って確認したところ,Aaron Parksの"Invisible Cinema"と同一編成で,ベースだけがMatt PenmannからDoug Weissに代わっただけである。今回,"Invisible Cinema"を聞き直した訳ではないので,あくまでも印象であるが,まぁこういうメンツであれば,こういう音になるかなって感じである。
Mike Morenoという人の印象は,メカニカルにギターを弾き倒すというよりも,リリカルなフレージングを紡いでいくという感じであり,それはここでもピアノを弾くAaron Parksとの同質性ということもできると思う。そこにどんなビートでも叩きだしてしまうEric Harlandという組み合わせは意外のようでもあるが,これが想像以上の相性の良さを示している。というよりも,Eric Harlandの何でもできてしまう器用さが凄いってことかもしれないが...。
いずれにしても,この美的な感覚を失うこともなく,展開される音楽は聞いていて非常に心地よいものである。リーダー,Mike Morenoはもちろんいいが,Aaron Parksのファンが聞いても満足できると思わせる作品。ちょっと甘いかもしれないが,新年の祝儀も含めて星★★★★☆としてしまおう。
尚,本作をCD媒体でゲットするには今のところ,Mike MorenoのWebサイトかDUでの購入ってことになってしまうようであるが,ダウンロード音源はいろいろなところで入手できるはずである。
Recorded on July 2 & 3, 2015
Personnel: Mike Moreno(g), Aaron Parks(p, rhodes), Doug Weiss(b), Eric Harland(ds)
« David Bowie,69歳。更に前進するねぇ。 | トップページ | David Bowieが亡くなってしまった...。 »
「新譜」カテゴリの記事
- Chick Coreaの旭川でのソロ・ライブ音源が公開された。(2026.02.06)
- Joel Rossの新作はその名も"Gospel Music"。だが,典型的ゴスペルではない。(2026.02.07)
- Julian Lageの新作はまたもJoe Henryプロデュース。(2026.01.25)
- 今年最初の新譜はEnrico Pieranunzi。あの"Live in Paris"と同じメンツで悪いはずなし。(2026.01.05)
- 2025年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)(2025.12.28)
「ジャズ(2016年の記事)」カテゴリの記事
- 2016年の回顧:ジャズ編(2016.12.30)
- ジャズ界の若年寄,Scott HamiltonのFamous Door作。懐かしいねぇ。(2016.12.23)
- 2016年の回顧:ライブ編(2016.12.19)
- 中年音楽狂のNYC夜遊び日記(番外編):クリポタとの遭遇(2016.12.14)
- 中年音楽狂のNYC夜遊び日記(3):最後の夜はWayne Krantz@55 Bar。(2016.12.13)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: なぜかこれまで記事のアップがないMike Morenoの新作はナイスな出来。:
» MIKE MORENO / LOTUS(2015年) [奇天烈音楽館 Strange Kind of Music]
Musician●Mike Moreno(guitar)Title●Lotus(2015年)■World Culture Musicより購入 ブルックリン派の旗手、Mike Morenoの新譜が届きましたので早速聴いています。2015年12月1日発売。今のところiTunesなどの [続きを読む]
» Lotus / Mike Moreno [My Secret Room]
またまた、お花のジャケットです。今度は蓮。 めちゃ、素敵なアートワークですよねぇ [続きを読む]
» Mike Moreno Lotus [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
Mike Morenoの新作が出ました。Kurt Rosenwinkelを筆頭にしたコンテンポラリ系ギタリストの重要な一翼を担うギタリストと認識しているので、このリリースは個人的には待望のと言いたいところです。
調べると、2012年の↓以来なので3~4年新作が出ていなかったってことになります。
Another Way (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61304962.html)
参加作は昨年のKendrick Scott盤があったので、昨年あたりか..... [続きを読む]
« David Bowie,69歳。更に前進するねぇ。 | トップページ | David Bowieが亡くなってしまった...。 »

































































こんにちは。
この盤は素晴らしいですよね。年末に入手してからヘビロテ状態で聴いています。独自の浮遊感というか空気感が心地良く、聴けば聴くほど味が出てくる「するめ烏賊盤」認定です。
というわけでTBお送りいたしました。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2016年1月11日 (月) 09時43分
奇天烈音楽士さん,こんにちは。TBありがとうございます。
このアルバム,この人たちらしい響きという感じで,非常に聞き易いものではありますが,美的な感覚も失っておらず,瑞々しさが感じられますね。
これまでどうしてMike Morenoの参加アルバムを1枚もこのブログで取り上げていなかったのか,不思議で仕方がありません(笑)。
追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年1月11日 (月) 12時52分
モレノとパークスの相性のよさにつくづく聴き惚れました。
モレノは美しいだけでなく、やっぱり、閃光のように切り込むフレージングもかっこよく いいなぁ、と、思います。
でも、弾き倒しているときより、音数少なく残響を楽しむような感じのときが好きかも。
ここでのご挨拶も随分おそくなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。
投稿: Suzuck | 2016年1月12日 (火) 12時12分
Suzuckさん,おはようございます。返信が遅くなりました。TBありがとうございます。また,こちらこそよろしくお願いします。
Mike Morenoって無茶苦茶上手いんでしょうけれども,そう感じさせないのが,更に上手さを感じさせますし,おっしゃる通りAaron Parksとの相性が素晴らしいですね。
ということで追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年1月16日 (土) 09時02分
おっしゃられているとおり、Aaron ParksとMike Morenoの相性の良さと、それにEric Harlandの縦横無尽なドラミングが重合して、味わい深く格好良い作品に仕上がってます。
しかし、相変わらず入手が難儀そうなのが。。。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2016年2月28日 (日) 17時22分
oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。
どちらかというとMike MorenoとAaron Parksはソフトな感じがする人たちだと思うのですが,そこにEric Harlandが加わるというのがメンツの妙と言うべきでしょうか。
私はAaron Parksへの信頼度が高いんですが,Mike Morenoもこの自作に限らず,Kendrick Scott盤とかいい仕事してると思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年2月28日 (日) 18時17分