2015年の回顧:音楽編(ジャズ以外)
今年の回顧の3回目はディスク編の1回目。ジャズ以外の音楽で今年よかったと思えるものについて記したい。
今年は例年に増して,ジャズ以外のアルバムの購入枚数が減っていて,ベスト作を選ぶのにも苦労するというのが本音である。クラシックも,ソウルも,ブラジルも購入枚数は非常に限られていて,記事にしたものも非常に少ないからだが,そんな中でジャズ以外のカテゴリーで今年の最高の作品はLizz Wrightの"Freedom & Surrender"だと思っている。先日のライブ編でも私はこの人への称賛を惜しまなかったつもりだが,それに先立ってリリースされた彼女の新作は本当に素晴らしく,それが彼女のライブを見たいと思わせた要因だったのは疑いようのない事実である。彼女はジャズ・ヴォーカリストとも捉えられているので,今回取り上げるのではなく,ジャズ編で取り上げてもよかったのだが,この作品に私はディープなソウルを感じたので,本日取り上げることにした。これは本当に素晴らしいアルバムであり,より多くの人に聞かれるべき作品だと思っている。
Lizz Wright絡みでもう1枚挙げると,Terri Lyne Carringtonの"The Mosaic Project: Love And Soul"も非常にいいアルバムであった。Robert Glasperの"Black Radio"をよりメロウにするとこのアルバムの音楽になるという感じだが,様々な個性を持つアーティストを集めて,よくぞここまで作り上げたということで,このアルバムも忘れられないものとなった。これもジャズのカテゴリーで捉えることは可能ではあるが,音楽そのものは完全にソウルのカテゴリーである。いずれにしても,Lizz Wrightについては,J.D. SoutherやKendrick Scottのアルバムにもゲストで参加したりしていて,非常に越境型の活動が目立ったわけだが,どこに出てきてもいい仕事をしているところに,この人の高い実力が表れていると思う。
Lizz Wright関連のアルバムが非常によかったので,私の中での印象がちょっと薄くなってしまったような気がするのがJames Taylorの13年ぶりのオリジナル・アルバム"Before This World"である。記事にも書いた通り,これが彼の最高傑作とは思っていないが,変わらないことの重要性をつくづく感じさせてくれるアルバムだったと思っている。
また,今年聞いた中で印象に残っているのはRachel Sermani,また,記事にはちゃんとできなかったが,China Crisisによる21年ぶりのアルバム,そして誰が聞いても強烈だと思えたのはKendrick Lamarの"To Pimp a Butterfly"あたりである。おっと,忘れちゃいけない。Steve Reichの新作はいつも通り楽しませてもらったが,クラシックのアルバムはほとんど買っていない。来年はもう少しクラシックも聞こうかねぇと思うが,さてどうなることやら。
尚,リリースは2014年後半なので,ここに挙げるのは抵抗があるのだが,Joni Mitchellのコンピレーション,"Love Has Many Faces: A Quartet, A Ballet, Waiting to Be Danced"は無茶苦茶素晴らしい作品であることは改めて書いておきたい。ということで,音楽的な幅を大して確保できていない中でのセレクションでお恥ずかしい限りだが,Lizz Wrightが私にとってのジャズ以外でのMusician of the Yearってことは間違いない。
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