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2015年11月 5日 (木)

"The In-Between":やはりDanny Grissettの実力は大したものである。

Danny_grissett"The In-Between" Danny Grissett(Criss Cross)

Danny Grissettのリーダー作は"Stride"しか保有していない私だが,Tom HarrellやJeremy Peltのバンドでの仕事っぷりもよく,2013年には彼の武蔵野でのライブにも行った私である。この人のピアノは極めて上品であるということは以前にもこのブログに書いたが,現在はウィーンに住んでいるっていうことも,そうした私の感覚を裏付けるもののような気がする。当たっているかどうかは別にして,きっちりとピアノのレッスンを受けて,クラシックの道を選択することもできただろうが,ジャズを選んだって印象を与える人である。

そのDanny Grissettの新作はテナーのWalter Smith III(昨年リリースのリーダー作もなかなかよかった)を加えたワンホーン編成,ドラムスがBill Stewartということもあり,これはかなり期待できるという思いもあって,久々のアルバム購入となった。Apple Musicで試聴してからでもよかったのだが,多分大丈夫だろうという思いもあったのは事実である。結果的には私の想定は間違っていなかったと言ってよい。

オリジナルとスタンダード,そして最後の曲である奥方によるオリジナル曲をバランスよく配置し,現代的な響きと,美しい響きを両立させているところが好感度が高い。"Stablemates"をビルスチュとのデュオで聞かせてしまうセンスも只者ではないと思わせる。しかもそれがデュオというセッティングから予想されるような決して「熱い」だけではなく,クールな感覚を失っていないところが非常にいいのである。こういう曲がHenry Mancini作の"Dreamsville"のような美しい演奏の後に収まっているところにもセンスの良さを感じるのは私だけではないだろう。

今回,久々にこの人のリーダー作を聞いても,やはり"Noble"という表現しか思いつかない私の想像力の貧困を感じてしまうが,それでもやはりそれがこの人の個性なのだと思う。下品さと対極に位置するジャズってのもおかしい表現だが,それでもカクテル・ジャズに堕することは全くないという非常に魅力的な演奏。熱くならないWalter Smith IIIとの相性もいいように思えた。星★★★★☆。

Recorded on April 29, 2015

Personnel: Danny Grissett(p), Walter Smith III(ts), Vicente Archer(b), Bill Stewart(ds)

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コメント

Toshiyaさん、こんばんは。実は私も先週末これをDLしました。ある方のブログをみて、欲しくなりました。それ以来通勤時は勿論、就寝時のお供となっています。静かな曲も暗くなりすぎず選曲も結構幅広いし気に入っています。このリーダーのことは知りませんでしたがフォローしてみようと思います。一説によるとBill Stewartを聴くためといのもあるのですが、いやあ、佳作だと思います。ではまた。

こうぞうさん,こんにちは。

ビルスチュ目当てってのもわかりますが,ダニグリも才能に溢れた人なので,相乗効果もありましたね。この人,バックでもいい仕事をしますが,リーダーとしてもいい線いってますね。これからも期待したいと思います。

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