天気の悪い午後に聞いたStan Getzの"Cool Velvet"。しみるねぇ。
"Cool Velvet" Stan Getz(Verve)
天気の悪い日は出掛けるのも億劫なのは誰もが共通だと思うが,そういう時には部屋で落ち着いて聞ける音楽に身を委ねたいと考えた時に,何を聞くかは迷うところである。クラシックでもいいのだが,こういう日はついつい渋めのチョイスをしてしまう私である。
そんな私が,土曜の昼下がりに聞いていたのが本作である。私がStan Getzに目覚めるまでには随分時間が掛かったわけだが,年齢を重ねるごとにこの人のやっている音楽がどんどん魅力的に響いてくる。私は彼の生は見たことがないが,日本公演はやれ手抜きだなんだと評判の悪かったStan Getzだが,彼の残した欧州でのライブ盤などを聞いていると,この人に手抜きなんて概念はないだろうと思えるだけに意外な気もするが,それはさておきである。
このアルバムはStan Getzによる"With Strings"ものであるわけだが,私が保有しているのは後の"Voices"とカップリングされた徳用盤であるが,私は正直前半の"Cool Velvet"の部分しか聞かないと言っても過言ではない。"Voices"が悪いという訳ではないが,私にとっては"Cool Velvet"の方がはるかに魅力的なのである。
一般に"With Strings"ものは原理主義的ジャズ・ファンからは目の敵にされることも多いわけだが,Getzのように歌心に溢れたテナーが,ストリングスをバックに気持ちよさげに吹くこのアルバムに文句を言う人とは私は絶対話が合わないだろうなぁなんて思ってしまう。確かにスリルとかテンションとは対極にあるような音楽だから,そっち方面のジャズとは違うだろうが,これだってれっきとしたジャズの一つだと思わなければならない。途中"Born to Be Blue"の野暮なフェード・アウトとかあるものの,Getzのテナーを楽しめるという点では結構いいと思える。
Getzのアルバムにおいては,必ずしも世評が高いものとは言えないかもしれないが,この気持ちよさはグルーミーな昼下がりにぴったりだったと思っている。ということで,あまりのフィット感に半星オマケで星★★★★☆。ちなみに写真は上が私が保有している2in1盤,下がよく見るジャケ。どっちがオリジナルかはわからないのだが,ネガを使ったジャケの方はどうなんだろうねぇ。少なくとも私の趣味ではないな(笑)。だからと言って,上のジャケがいいという気もないが...(爆)。
Recorded in March, 1960
Personnel: Stan Getz(ts), Blanchie Birdsong(harp), Dave Hildinger(vib), Jan Johansson(p), Freddie Dutton(b), Sperie Karas(ds), Russ Garcia(arr, cond), with strings
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コメント
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私が持っていたLP盤は下の顔がネガになっているほうでした。オリジナルがゲッツの顔のジャケットだったと思います。
かつて聴いていたFM仙台のジャズ番組で、ジャズ写真家の阿部克自さんがゲスト出演されて、このアルバムを大絶賛されていました。
弦がドイツの楽団だったと思います、ちょっと固めですよね。
「アーリー・オータム」が好きでした。
投稿: Namy Hay | 2015年11月15日 (日) 15時34分
Namy Hayさん,こんにちは。よくよく調べてみると,どっちがオリジナルかよくわからなくなってきたので,ちょっと記事を書き換えてみました。
おっしゃる通り,バーデンバーデンで録音されていて,ストリングスはドイツの人たちだと思います。確かにそう言われれば,スイートな感じではないかなぁって気も。それでもこれはこれで結構いいと思いますね。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年11月15日 (日) 16時54分