中古で拾ってきたLeni Stern盤:なかなかいいねぇ。
"Ten Songs" Leni Stern(Lipstick)
先日,中古盤屋をうろついていて,David Murrayのソロ・ライブ盤と一緒に買ったアルバムである。全然音楽のタイプが違うやんけと指摘されればその通りだが,全方位主義の私らしいと言えば私らしい(きっぱり)。Leni Sternのアルバムは決定的とは言えないまでも,結構魅力的なアルバムが結構あって決して侮れないのだが,本作もそういう印象である。
そもそも私がこのアルバムを購入する気になったのは,プロデュースにWayne Krantzの名前がクレジットされていたからである。Leni SternとWayne Krantzはデュオ・アルバム"Seperate Cages"を制作しているぐらいなので,因縁浅からぬ仲ではあるが,このアルバムは私は全然知らなかったこともあり,値段も安かったので購入と相成った。
メンツはLeni Sternのアルバムではほぼお馴染みの面々が揃っていて,彼女らしいというか,あるいはLipstickレーベルらしいとも言うべきハードなフュージョンが展開されている。冒頭の"Miss V"でLeni Sternがクラシック・ギターを弾いていて一瞬面喰うが,やっているうちにいつもの調子になっていくのは微笑ましい。特にBob Malachのテナーが入る曲では,まるでMichael BreckerあるいはBob BergのようなBob Malachのフレージングに笑ってしまうが,やっぱりこういう路線がLeni Sternの基本路線だろうねぇと思いたくなる。Leni Sternがスライドを多用しているのは結構特徴的だが。
だが,そういうハードな路線に加えてドラムレスの曲ではしっとり聞かせる展開もあり,アルバムとしてはなかなかよくプロデュースされているって感じがする。LPの時代で言えばA面とB面でリズム隊を変えているのも意図が明確で,これはこれでなかなかいいアルバムではないかと思っている私である。星★★★★。
そう言えば,彼女の"Secrets"も1,000円の廉価盤で出たのを新古で買ってきたのだが,全然聞けていないねぇ。さっさと聞かねば(苦笑)。
Personnel: Leni Stern(g), Wayne Krantz(g), Bob Malach(ts), Billy Drews(ss), Gil Goldstein(key), Lincoln Goines(b), Alain Caron(b), Dennis Chambers(ds), Rodney Holmes(ds), Don Allias(ds, perc), Badal Roy(perc)
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