久しぶりに聞いたShawn Colvinの"Cover Girl"。やっぱり好きだなぁ。
"Cover Girl" Shawn Colvin(Columbia)
1998年のグラミーで”Song of the Year"と”Record of the Year"を受賞するShawn Covinであるが,私にとっては,このアルバムとBob Dylanの30周年記念ライブでの演奏しか縁がない。そんな彼女の歌なのに,なぜこのアルバムを購入したのかと言えば,これは1曲目のSting作による"Every Little Thing (He) Does Is Magic"のアコースティック感に溢れたカヴァーがよかったっていうのが動機だったと記憶している。
本作はタイトル通り,シンガー・ソングライター,Shawn Colvinが他人の曲をカヴァーしたアルバムであり,私は冒頭からまいってしまったわけだが,今回久しぶりに聞き直してみて,それ以外にもいい曲が揃っているっていうのがよくわかった。それは後にRobert PlantとAlison Kraussによってもカヴァーされた"Killing the Blues"然り,The Bandの"Twilight"然りである。必ずしも有名な曲ばかりではなくても,これだけの選曲をしただけでこのアルバムの成功は保証されているようなものである。これまで本作を聞いているときは,そんなデータ等気にせず,なんとなくいい曲が多いねぇと思いながら聞いていたのだが,よくよく見ればなるほどって感じなのである。Talking Headsの”This Must Be the Place (Naive Melody)"まで,カヴァーしてしまう間口の広さだが,またそれがいいのである。
現代のリスナー,特に日本のリスナーがShawn Colvinのような歌手についてどう思うのかは非常に興味深いが,これは私はかなりいいアルバムだと思った。先日取り上げたMichell Shockedもそうだったが,久しぶりに聞くと,その魅力が更に増しているように聞こえてしまうのである。おそらく,それは私の加齢に伴う音楽感の変化も反映しているとは思うが,それにしてもこれは改めて惚れ直したって感じである。こういうのをクロゼットの奥にしまっておいたことを痛切に反省した私である。バンドでの演奏と,今は亡きBottom Lineでのソロ・ライブがバランスよく収められているが,どっちも十分魅力的に響く。非常によくプロデュースされたアルバムとして評価したい。私はこういうアルバムに弱いねぇってことで星★★★★☆。
Personnel: Shawn Colvin(vo, g), Steve Addabbo(g), Steuart Smith(g, b, key, mandolin), Larry Campbell(fiddle, pedal steel), Benmont Tench(org), Leland Sklar(b), David Kahne(b, key), Larry Klein(b), Tom "T-Bone" Wolk(b, accor), Jim Keltner(ds),Kenny Aronoff(ds, perc), Andy Kravitz(ds), Frank Vilardi(ds, perc), Mary Chapin Carpenter(vo), Milt Grayson(vo), Curtis King(vo), Fonzi Thornton(vo), Ken White(vo), Frank Floyd(vo)
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